アップルカーは(とりあえず)庶民向けのものではない

またアップルカーの話題が出てきました。

www.nikkei.com

2025年に完全自動運転のものを販売するのでは?という予想で、そのむかし日経がよくやっていたドコモがiPhone導入する!というやつじゃなくて、元々はブルームバーグの記事が元ネタとなります。

japanese.engadget.com

こちらは自家用車ではなくカーシェアリングなどに使われるという予想です。

以前にも書きましたが、アップルが自動車を開発するとしたら自家用車は難しいと思われカーシェアリングやタクシー、リースのような形態になると予想されます。

理由はいくつかありますが、一つは事故時の責任の所在が考えられます。
完全自動運転の場合、事故の責任について議論されていますが、現在のところ所有者の責任になる可能性が高くなっています。
(なぜ所有者が事故の責任を負わなければいけないのかというと、整備不良などが考えられるからです。タイヤの溝がない雪なのにノーマルタイヤを使っているなどが原因による事故は明らかに所有者の責任になると思われます)
もちろん製造者の責任がゼロになるわけではなく、バグなどの不具合に関しては製造者の責任が問われることも議論されています。

競合他社に先駆けいち早く自動運転を市場に出すためには製造者と所有者を同一にした方が混乱が少なく、完全自動運転の車は登場からしばらくの間は個人所有のものは現れないのではないかと考えられます。

さて、先日のテスラがFSD(フルセルフドライブ)のベータ版を撤回しましたが、あの運転を見る限りでは完全自動運転で2025年の登場は現在のところ難しいのではないかと思われます。
自動運転のレベル5はどこでも自動運転が可能なものですが、一つ下のレベル4はもしかしたら2025年内も可能なのかもしれません。

レベル4は一定の範囲内や決められた道路であれば人間の操作がなく自動運転が出来るというもので、トヨタが選手村でやったようなものがレベル4に近い自動運転です(トヨタの場合は必ずオペレーターが乗車していたので自動運転ではありませんが)。
レベル5はタクシーに対し、レベル4は路線バスみたいなイメージでしょうか。
都市内での移動、高速道路を使った移動、飛行場から都市部へ向かう、など限定的な利用は可能かもしれません。
限定的な利用範囲に合わせて宣伝効果を考えるとリゾート地はレベル4自動運転の導入に向いていると考えています。
空港からホテルの移動、それも都市部より道路整備が追いついている地域であり、かつ特別であることを演出するならリゾート地がベストです。
日本ではスノーリゾートは開発の余地がまだまだあるように思えるので、官民でやらないものかと思います。

アップルカーの話題が出ると既存の自動車メーカーがピンチになる、みたいなイメージを持たれる方が多いように思えますが、現状では完全自動運転はそれほど台数を出せる状況ではないと思われます。
もちろん、スペシャリティーカーのようなものを出してブランドイメージを作り上げてから10年かけて庶民向けのものでシェアを取っている可能性はありますが、トヨタフォルクスワーゲンなどと競合するのはもう少し先のことになるでしょう。