レベル3の自動運転でスマホを使っても許される理由

レベル3の自動運転でスマホを使ったり本を読んでも違反とならない、という方針が示されました。

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自動運転はレベル5までありますが、レベル4と5はハンドルやブレーキなどがない無人運転で人間は運転に関与できないものです。レベル3まではハンドルやブレーキがあり人間が車を操作することが可能なものです。

レベル2は条件付きで自動運転が可能なもので、前車追従やレーンキープアシストなどを組み合わせたものと考えていいかと思います。テスラのオートパイロットなどはレベル2相当といえるでしょう。
レベル3の自動運転は、ほぼ全て車任せにしてもいいけれど、いざとう時は人間が介入するというもの。

つまり、レベル3の自動運転は車任せで十分だけれども、運転席には免許を持った人間が座り、万が一の場合に対応することが求められています。
私は、レベル5よりもレベル3の方が難しいと考えています。
というのも、レベル3の自動運転に任せたら寝る人が沢山いるでしょう。寝なくてもスマホをずっといじるでしょう。運転と同じ緊張感を持ちながらも操作は求められないなんて耐えられるはずがありません。
それなのに、最終的には人間が操作して危機回避を求められます。

で、それでもスマホを使っても問題なしとするのは、メーカー側の負担を減らす狙いがあるからでしょう。
レベル3の自動運転で事故が起きた場合、ドライバーに責任転嫁が可能な余地を作ることで開発や販売をしやすくするためと思われます。
レベル3の自動運転で事故が起きる度にメーカーが訴訟に巻き込まれたら開発コストよりも裁判のコストの方が高く付きかねません。

ただ、メーカーが稚拙な自動運転をレベル3と勝手に標榜して責任を負わないというわけにはいきませんから、レベル3の自動運転を国がどう担保して承認するのかが重要になるかと思われます。

ちなみに、レベル4や5の自動運転の事故では所有者に事故責任が及びますが、車の維持管理などが求められるので妥当だと考えています。
そもそも、レベル4や5の自動運転車は無人タクシーみたいなもので個人所有ではなく、シェア利用するものになると考えられています。