日産は車種激減?の怪文書について考える

bestcarweb.jp

面白い記事が出ていたので考えてみたいと思います。
怪文書の類ですが、

◎年明けの販売戦略会議で、日産自動車から方針が(各販売店に)伝えられた
◎世界全体の中で、日本国内での販売比率は6%に満たない(実際には2017年の累計ではグループ全体で6.5%、日産ブランドだけだと9.6%)
◎そこで販売比率を上げるため、不採算車種の整理統合を進める
◎マーチ、キューブ、ジューク、ティアナ、スカイライン、エルグランド、シーマは撤退もしくは三菱とのOEM車に転換
◎次期セレナはデリカD:5と共同開発車となる
◎当面の新規モデルはEVが一台

こんな感じ。TwitterFacebookが出処ということですが、そちらの方は見ていません。

デリカとセレナ

デリカとセレナでプラットフォームを共用することは、ちょっと考えにくいでしょう。共用したところでデリカは魅力が消えてしまい、まず売れないので共用する意味がありません。
デリカと日産の何かを共有することはありえても、それはセレナではないでしょう。

セダンは整理がありそう

日産が日本で販売しているセダンはシルフィ、ティアナ、スカイライン、シーマ、フーガです。
ティアナ、スカイラインはどちらか一つになるかもしれません。どちらか一つであれば十分と考えるとスカイラインを残すでしょう。スカイラインを残してシーマも廃止、というのもあり得るでしょう。
ティアナは北米や南米、中国向けには残ると思いますが、日本ではセダンが売れないので廃止はしょうがないかと。

エルグランド廃止はあり得る

この怪文書の中では、エルグランド廃止の可能性が最も高いのでは?
新しいジャンルを作ったエルグランドですが、モデルチェンジの度に影が薄くなって、今ではすっかりトヨタのアル・ヴェルに負けてしまっています。ワンボックスは世界的には売れず、今では日本独自のジャンルと言ってもいいくらいなので、怪文書にもある通り日本での販売割合の少なさを考えるとエルグランドを廃止する可能性は十分にあります。その場合、エルグランドに相当するラグジュアリーな3列シートSUVを導入するでしょう。

コンパクトカーの整理は不透明だけど

マーチ、キューブ、ジュークに関しては微妙ですが、とりあえずジュークの廃止はないでしょう。ジューク後継として北米にも導入されたキックスがジュークの変わりに入ると予想しています。でなければ、三菱のエクリプスクロスのガワを変えたものがジューク後継として日本に導入される可能性もあるのかもしれません。

私はキューブは続けるべきだと思います。キューブのライバルだったトヨタシエンタからJPNタクシーという派生が生まれています。JPNタクシーはユニバーサルデザインとしてのベンチマークになると思います。世界でトヨタフォルクスワーゲンと渡りあうつもりであれば、ユニバーサルデザインの意識した車を日産も販売すべきでしょう。キューブじゃなくてノートをベースとしてもいいのですが。

ヨーロッパで販売されているマーチ、マイクラは既にフルモデルチェンジしていますが、日本導入の噂すら出てきません。マーチの名前を捨てるとは考えにくいと思います。三菱のミラージュOEMという話しもありますが、ルノーではなく三菱がコンパクトカーを開発する意味がよくわからないので、ミラージュのOEMでマーチはちょっと考えにくいのでは?

その他の車

あと商用車のNV200とキャラバン。キャラバンはなくなってもおかしくないような気がします。キャラバンのライバル、ハイエースが強すぎるので。キャラバンと比べるとNV200は低床のせいか沢山走っています。FRのライトエース(タウンエース)よりも多いんじゃないかと思います。

EVに関してはi-MiEVの後継を販売するでしょう。EVの使われ方の一つにシティコミューターが想定されているので、小型のEVを日産が一から開発するとは考えにくいので既に開発中といわれるi-MiEV後継を日産が販売すると思われます。

日産と三菱の技術

三菱はPHEV(プラグインハイブリッド)で先行しているので三菱のPHVを日産やルノーブランドで販売する可能性は高いでしょう。アウトランダーPHEVを残して何を廃止するかというと、エクストレイルでしょうか。そこそこ売れているエクストレイルとヨーロッパで売れているキャシュカイ(エクストレイルのショートホイールベース)をわざわざアウトランダーに置き換えるというのはないでしょうか。日産がPHVをどういった車種で展開するのか気になるところです。

日産の技術と三菱の技術、それぞれの強みを考えると日産は可変圧縮エンジン、三菱は4WDとディーゼルエンジン、PHVがあります。これらを組み合わせると、エンジンは日産の可変圧縮エンジンを使い他は三菱を組み合わせるといいのかもしれません。デザインや売り方は日産の方がいいでしょう。

まとめ

正直、日産は国内メーカーの中で最も国内市場を軽視していると感じるので、車種を減らす方向はまず間違いないと思います。軽を2つ、コンパクトを2つ、ワンボックスを1つ、SUVを2つ、セダンを2つ、商用車を1つ、くらいでも不思議ではありません。

ただ、車種を絞りすぎると売る方は大変でしょう。スバルやマツダのように指名買いされる車が多ければいいのですが、それでも2社は少し苦戦しています。車種を絞りすぎて、かえって売れないなんてこともあるかもしれません。

日産に勤めているわけでも、ディーラーでもないので実際のところはわかりませんが、迷走感はありますよね。