ゴーン逮捕で日産は国内市場を重視するのか?

日産の代表取締役会長カルロス・ゴーンが逮捕されました。
逮捕当日の記者会見を見ていましたが、質疑応答でもルノー、日産、三菱のアライアンスがどうなるか、と注目されています。

ルノーが日産株を手放すとは思えないので(今回の逮捕でルノー株はずいぶん下がっているようですがルノーが日産を手放すのは東芝半導体部門を手放す以上の大手術でしょう)、基本的には変わらないのではないかと思われます。
ただ、ルノーのCEOでもあるカルロス・ゴーンの逮捕で日産だけでなくルノーも解任されるでしょう。その後、ルノーと日産、三菱のトップに誰がつくのか、ルノーとの経営統合へ進むのかどうかが注目されます(ゴーンは経営統合に否定的だと言われていましたが、ルノーの大株主でもあるフランス政府の意向もあり経営統合へ向かうと言われていました)。

一方で、記者会見では権力が一人に集中しすぎたことが原因であろうと話していましたので、ルノー、日産、三菱とそれぞれトップを別にする可能性は高いだろうと予想できます。そのため、すぐに経営統合へ向かうことは難しいと思われます。

また、今回の逮捕により日産がルノー株を買いましてルノーの日産に対する議決権を無効化するのでは?という予想もあり、この場合は騒動が当分は収まらないでしょう。

日本市場に力を入れる?

記者会見では日本市場軽視ではないか?という質問がありました。軽視ではないとさすがに否定していましたが、現状では軽視と言って間違いないでしょう。

マーチやキューブのフルモデルチェンジが未だになく、売れ筋である小型SUVのジュークもフルモデルチェンジが遅れています。
また共用化による独自性が薄くなっています。次期NV200はカングーベースになるとも言われていますが、車種が違っても見た目と味付けを変えるだけでは魅力が薄れるという意見もあります。

一方で共用化によるコスト削減は無視できません。日産ディーラーは売る車がない、なんて言われますがコスト削減のおかげで北米市場などよりも国内の方が収益率が高くなっています。ノート、セレナ、軽の三本柱で十分とも言えます。

今回の逮捕で国内市場向けの車種が増える可能性は高くなると思われます。ただし、国内市場に特化したものは必ずしも国外で売れるわけではないので(ホンダのN-BOXなど)収益率が悪くなるのは避けられないでしょう。

結局のところ

日産としてはルノーの影響力を弱めたいところだと思いますが、向こうは実質フランス政府ですから簡単には変わらないと思われます。