本当にテスラ モデル3は自動車業界を塗り替えるのか
”テスラ モデル3”はこんな車
1モーターの後輪駆動(2モーターの4WDモデルの予定あり)
グレードは航続距離220マイル(約354km)と”ロングレンジ”航続距離310マイル(約499km)の2種類。
オプションは
- オートパイロットが5000ドル。
- プレミアムパッケージも5000ドル。
- 今後提供予定の自動運転は3000ドルで提供予定
ベースモデルが35000ドルなので、オプションを付けていくと600万円程度に。”ロングレンジ”は49000ドルなので、オプションを付けると800万円近くになりそうです。
さらに4WDはモデルSの場合で60万円増になるので、モデル3でも同じ位の増額が必要でしょうから、さらにかさみます。モデル3はさらに高性能モデルを出すかもしれないそうです。
サイズは
- 全長4676mm
- 全幅1885mm
- 全高1435mm
- 車両重量1730kg
となっています。
全長はDセグメントに入ると思いますが、全幅1885mmはちょっと大きいので(日本では大きすぎると言われ北米で売れているカムリやアコードが1840mmくらい)、日本でも予約が沢山入っているみたいですが、ここまで広いと乗る人、場所を選びそうです(立体駐車場も車幅で使えないところが出てきます、車両総重量2000kgまでの立体駐車場もギリギリ使えません)。
こうやって見てみるとモデル3といえどもテスラはテスラという感じがあります。モデル3でEVを支配するなんて見方もありますが、まだまだ高価だと感じます。
対して日本のEVは
日本車では純粋なEVではありませんが三菱のアウトランダーPHEVが十分に手に届くので、このあたりと競合するのでしょうか。アウトランダーも少しラグジュアリー感を出したものを対抗として出したらどうかと思いますが、出ないでしょうか。
ちなみに三菱のEVやPHVはバッテリーの劣化はリーフと較べてかなり少ないとか。新型リーフは三菱の技術を取り入れてバッテリー問題が解決するといいのですが。新型リーフは航続距離が400kmなんて話もありましたが、現実的な350kmくらいのようです。それでも現行のリーフは280kmなので実用性も高くなりそうです。
航続距離が350kmで350万円くらいならテスラ モデル3と十分以上に勝負出来るでしょう。そもそもモデル3とリーフでは客層が違うので競合しないのかもしれません。ただ、新型リーフの上級グレードは450万円くらい、という話があります。賛否はあると思いますが、テスラを意識して塗装や内装でラグジュアリー感を出すのもありでしょう。というか、日本車は塗装と内装を気にして欲しい。特にアウトランダーPHEVはもうちょっと演出を頑張れば化けると思うのですが。
その点、テスラはイーロン・マスクのキャラクターと併せて演出が上手くいっています。ドイツメーカーは随分やられてしまう可能性もあるのでは?日本メーカーはテスラよりもずっと安い中国のEVメーカーの方が脅威になるかもしれません。
アウディA8の自動運転レベル3に続くメーカーはない?
アウディは新型A8でレベル3相当の自動運転が可能としています。現在、レベル3の自動運転が可能が国は法整備が行われているドイツだけだそうで(ドイツでもまだ認証前)、日本でその機能がどれだけ活用できるのかわかりませんが、楽しみにしている方も多いでしょう。
レベル3を発売しないメーカーも
では、今後レベル3の自動運転がどんどんと増えて普及するかというと、そんな事はないのかもしれません。例えば、ボルボはレベル2の次はレベル4を提供する、レベル3の自動運転は販売しないとしています。
レベル2の自動運転は人間が主体となり運転を行い、システムはアシスト。
レベル3の自動運転は自動運転が主となり緊急時など車が対応出来ない場合は人間が運転するというもの
レベル4とレベル5は人間が運転に関与しません。自動運転が可能な環境は限られるものがレベル4、環境に制限されないものがレベル5となります。
レベル3の自動運転の場合、万が一事故が起きた場合の責任の所在が曖昧になるためボルボはレベル3は回避するとのこと。レベル4の自動運転は人間は操作できず運転に関与しませんので、自動車側の責任となります。(未だに各国で法整備がされていませんが)基本的に利用者の責任は問われないでしょう。
しかし、レベル3の自動運転は基本的に機械任せでもいいけれど何かあれば人間が運転をかわる、という中途半端なものなので、事故が起きた際に自動車が悪いのかドライバーが悪いのか、責任の所在が曖昧になります。曖昧であれば裁判も起こるでしょうし、余計な事には巻き込まれたくないのは誰もが考えることでしょう。
どんなリスクを考えているのかわかりませんが、責任が曖昧な事を嫌いボルボはレベル3には手を出さないことを決めました。ボルボ以外にもフォードもレベル3の自動運転を販売しない方針です。自動車メーカーではありませんが、Googleが初めたWaymoも人間が運転に介在しないレベル4からの自動運転を目指しています。
もちろんアウディも責任の所在については無策でなく、ブラックボックスを備え事故原因を明らかに出来るようにしています(それを中立な第三者が調査する、という仕組みがあるのかわかりませんでした)。
レベル3の問題は自動運転の責任の所在が曖昧、法律の整備の2点だけでなく、任意保険の問題もあります。
保険の問題は責任の所在にあるわけですが、メーカーが責任を素直に認めるのか、保険会社は賠償費用を回収できるのか不透明です。
自動運転に対する考え方の違い
もしかしたらレベル3の自動運転の技術はレベル5に近いもの、レベル4よりも難しいと考えているのかもしれません。レベル4の自動運転は制限付きの自動運転で、路線バスのような走る場所が決まっているものが相当します。一方でレベル3は走る場所の制限はありません。高速道路やバイパスならすぐにでも実現出来そうですが、狭い路地や白線が消えかかっているような道路も走る必要がありますので、技術的な難易度は高そうです。
ボルボとは少し違いますが、スバルの最も新しいアイサイトはレベル2相当の内容とされていますが、スバルは自動運転とは呼ばずに運転支援と位置づけています。自動運転という言葉から勘違いされることを避けたいのでしょう。一方でテスラはオートパイロット、日産はプロパイロットと呼び、自動運転をアピールしています。自動運転の開発は各社力を入れていますが、自動運転技術のありかたに関しては各社でかなり違いが出てきそうです。
まとめ
- 自動運転レベル3の問題点は法整備、責任の所在、任意保険の3つ
- メーカーによってはレベル3はスルーかも
- メーカーによっては自動運転という言葉をこれからも使わないかも
「自動運転」ビジネス 勝利の法則-レベル3をめぐる新たな攻防- (B&Tブックス)
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なぜボルボは怖い車になってしまったのか
このランキングの5位がボルボですが、ボルボは車両保険料率が高いことでも知られています。
ボルボは安全装備で知られています。自動車保険は安全装備により保険料が安くなる傾向がありますが、ボルボはそれが相反する傾向があります。
このクチコミではボルボなのに車両保険料率が高いことを疑問に思い嘆いています。
車両保険料率が高い理由は保険料の支払いが多いから。どうして保険料の支払いが多いのかというと、事故が多い、修理費用が高い、車上荒らしが多い、などの理由が考えられます。ボルボに車上荒らしが多いという話は聞きませんので、事故が多いのか修理費用が高いのでしょう。
一般的に外車は修理費用がかさむので、修理費用が高いために車両保険料率が高いという可能性は十分にあります。
しかし、そうであれば、他の外車も同じように車両保険料率が高いことになりますが、ボルボはドイツのメーカーと較べてもクラスが高いことが多いので修理費用だけが原因ではないでしょう(ちなみにドイツ車の中で、アウディは車両保険料率が高い印象があります)。
もしかしたら”ボルボは安全”というイメージから運転が危険になっているのかもしれません。その結果、事故が多くなり車両保険料率は上がり、ボルボは怖い車というイメージが持たれてしまった可能性があります。
ちなみに”#今日のプリウス”なんてタグのあるプリウスも車両保険料率はちょっと高めです。プリウスは盗難も車上荒らしも多いので事故が多いというわけでもないかもしれません。
安全装備は転ばぬ先の杖であって、転ばないことに越したことはありません。安全運転が第一です。