フルモデルチェンジのパッソ・ブーンはスズキのイグニスに勝てるか?

トヨタがフルモデルチェンジした新しいパッソを発表しました。これまではトヨタダイハツの共同開発となっていましたが、今回からはダイハツが単独で開発とのこと。実際のところ、社員の行き来があるでしょうし、完全子会社化しているのでトヨタの意向で開発したものと思われます。ちなみに、次期ヴィッツダイハツが開発を行うそうです。この新型はトヨタではパッソという名前でダイハツではブーンというネーミングで発売します。

パッソとブーン、どちらもヘッドライトやフロントグリルの形状が異なる2つのスタイルを同時に販売します。ダイハツの軽自動車キャストのようなスタイルのパッソ”MODA”と、昔のヴィッツのようにもプロボックスにも見える通常の2種類です。
MODAはブラックルーフのツートンカラーも選択でき、ホンダのN ONEやMINIを意識しているのでしょうか。ちなみにMODAは高級グレードで、通常モデルと比べると少し価格差があります。

パッソ、トヨタの方は「軽じゃないK」というキャッチコピーをつけていますが、パッソ・ブーンはヴィッツよりも小さいサイズで、軽よりも大きいサイズとなっています。この軽より少し大きいサイズで競合するのは国産車ですとスズキのイグニスがあります。外国車ではフィアットのFIAT 500やフォルクスワーゲンのUP!がありますが、どちらもパッソ・ブーンよりは一回り小さく、軽とそれほど変わらないサイズになってしまいます。また値段も若干高く、3ドアが中心となっていて、パッソ・ブーンとはあまり合致しないと思われます。そんなことでパッソの競合車はスズキのイグニスになろうかと思います。

スズキ イグニスとの性能や実用の差は?

イグニスは全グレードにマイルドハイブリッドというものを搭載しています。
イグニスは車両重量が4WDでも1トンを切る920kgとかなり軽量で、一方のパッソは1200kg程度あります。さらにエンジン性能はイグニスの方がかなり高いので、加速や坂道などはかなり差を感じると思います。またイグニスは4WD車には雪道などで活用するグリップコントロールというシステムも搭載していて、運動性能においてはイグニスの勝ちでしょう。

一方で燃費は両者ほぼ一緒。車重がかなり軽いイグニスはかなり燃費で頑張っていると思いますが、パッソはさすがトヨタというべきなのか、ハイブリッドを使わずともイグニスとほぼ同じという燃費は驚異的です。燃費に関しては互角。

使い勝手に関しては、パッソの方は前後乗員間距離を広くとることにこだわったらしく、940mmとかなりあります。イグニスの方は前後乗員間距離765mmとちょっと窮屈です。ちなみに、軽でも1000mmを超えるものもあるので、イグニスの後部座席はかなり窮屈だと思ったほうがいいと思います。また、リアハッチゲートの開口部もイグニスの方が狭いと思います。後部座席を含めた使い勝手はパッソの方が上でしょう。

まとめ

スズキのイグニスはコンパクトクロスオーバーというジャンルで、4WDのシステムなどは力が入ったものです。悪路、特に雪道では力を発揮しそうです。一方でパッソ・ブーンの方は日常的な使いやすさを高めたフルモデルチェンジに思えます。雪の心配がない地域ではパッソ・ブーンの方が使いやすそうです。

初代パッソ・ブーンは割りと見かけたような気がしますが、先代モデルは没個性的なエクステリアで埋もれてしまったのか、あまり見かけることがありません。フルモデルチェンジにより存在感を出せるでしょうか?