事故原因の多くは”見えているのに見えなかった”

交通事故の原因はスピードの出しすぎや飲酒運転などはそれほど多くはなく、年々現象しています。一方でなかなか減らない事故原因が安全不確認とわき見です。

わき見運転は何かに気を取られて、ちゃんと前を向いて運転しなかったということで、比較的わかりやすい原因です。逆にわかりにくい原因が安全不確認です。安全不確認には色々なケースがあります。
ざっくりと分けると、他の車がいるのか、いないのか、しっかりと確認せずに事故を起こすケースと、確認したつもりだけれど見逃して事故を起こすケースがあります。

案外厄介なのが確認したのに見逃したケースです。視界に入っているのに、見えているはずなのに見逃してしまう原因の一つに注意力が落ちていることが挙げられます。

注意力が落ちる原因には色々あります。代表的なものには

  • 一時停止でしっかりと止まらない
  • 疲れている
  • 高齢

があります。

一時停止で毎回しっかりと止まる方はそれほど多くないと思いますが、しっかりと止まる場合とほぼ止まる場合とでは、周りへの注意力は案外大きな差があるそうです。当然、しっかりと止まった方が周囲への注意力が高くなります。
また、一時停止はどんな場所でも同じように止まることが大切だそうです。見通しがいい場所だから、よく通る場所だから、しっかりと止まらずにほぼ止まった状態で済ませると、他の場所でしっかりと止まっても注意力が落ちる傾向があるそうです。
一時停止では毎回しっかりと止まる習慣を付けることが事故防止につながります。

疲れていると注意力、集中力が落ちるという経験は車の運転に限らず誰しもが経験することです。高速道路で重大な事故が起こると問題になる事が多いのが、運転時間が長く十分な休憩が取れていなかったということです。居眠りなどはなくても、疲れて注意力が落ちてしまい追突や渋滞の最後尾に突っ込んだりといった事故につながります。
ちなみに、疲れているとイライラしやすくなるのですが、イライラも事故の原因といわれます。長距離運転などでは、疲れを感じる前に早めに休憩することが大切になります。

高齢者の安全不確認による事故はそれ以外の世代と比べて2倍程度割合が多くなります。高齢者の安全不確認が多くなる原因の一つは視野が狭くなることです。視野は止まっている時が最も広くなります。したがって、一時停止などはしっかりと止まることが大切になります。
ちなみに視野はスピードが増すほど狭くなるものなので、スピードの出しすぎにより視野が狭くなり、本来のスピードであれば見えているはずのものが見えなくなるため事故につながります。

見えているのに見逃してしまう原因は慣れとか思い込みなどがあります。いわゆる、〜だろう運転です。いつもは車がいないから経もいないだろう、というようなやつです。ないものだと思い込んでいると視界に入っているのに目に入らないという事は運転以外ではよくあります。例えば探しものとかがそうです。机の上にはないはずだと思って色々探したけれど結局机の上にあった、なんてことは珍しくありません。車の運転では思い込みは事故に繋がることもあるので、要注意です。

自動車事故の多くは明らかに危険な運転というものよりも、ほんのちょっとした不注意が原因です。自動ブレーキサポートなどの運転支援はこういった不注意に有効ですので、車の買い替えの際は検討してみてください。