新型クラウンを見て思うこと

3ボックスでクロスオーバーのチグハグ感

事前にベストカーがちらっと書いていましたが、リーク通りきちんとした3ボックスでした。
3ボックスのメリットって、遮音性がメインであとは空調の効きがよくなることくらいだと思います。
でも、それってお金かければなんとかなるわけで、利便性を考えれば3ボックスじゃない方がと思います。
もちろん、3ボックスじゃなきゃ嫌だ!っていう既存のクラウンユーザーが多いからそうしたんだと思われますが、だったらクロスオーバーを名乗らず全高は低くてもいいのでは?とならないのでしょうか。
クロスオーバーという名前から期待するのは3ボックスではないと思いますし、クロスオーバーという名前を聞いて遠ざかる人は3ボックスを望んでいる人でしょうし、チグハグに感じます。

内装と外装

内装が安っぽいという声がありますが、私はよくわかりません。
センチュリーやLSじゃないので、プラスチック感があってもいいのではないかと思います。その方が気楽ですし。
いわゆる高級感のある内装は、少々古臭く見えますし、中途半端になりがちです。
やたらステッチを強調したり、差し色を使ったり、キルティングのシートなど好みが分かれるし、内装は難しいですね。
エクステリアはリアの立体感の作り方が面白いと思います。日本のメーカーっぽくない自信と割り切りが感じられます。
その自信と割り切りを担保するのは衝突被害軽減ブレーキなどの技術でしょう。要するに後退時ぶつかることはない、という自信があってこその造形です。
リアの造形は地味に新時代に突入した感があります。

RSの車重とハイブリッド

RSは車重が2トン近くあるのですが、その理由がよくわかりません。
ターボの補機類、THSではない1モーター2クラッチのハイブリッド、リアのeアクスルが重いのだと思われますが、そこまで差があるの?という気が。
重くなれば運動性能は落ちるわけで、そこまで重くても選ばれる内容なんでしょうか。
当然、車重を増してもなお運動性能を確保してあるとは思いますが、車重を増さない方向では出来なかったのか疑問があります。
システム最大出力もたいしたことないし。
あと、デュアルブートハイブリッドという名前。THSなんちゃら、にしなかったのはどうしてなのか気になります。
私みたいな性格が悪いのは、もしかして出来が悪いのかな、とか思っちゃうので、堂々とTHSなんちゃらと命名すればいいのに。

コロナ以降感のなさ

コロナ以降の車として、ベンチレーション性能をアピールするんじゃないかと少し期待していました。
大人が4人座って長距離移動する時に、マスクをしなくても感染リスクを減らせますよ、みたいなベンチレーション性能です。
実際のところ「感染リスクを減らせる」とは宣伝できないとは思いますが。
それでも車内は◯秒で空気が入れ替わります的なものがなかったのか、検討しなかったのか。
外気導入が嫌いな方が結構いるようですが、そういったユーザーでも外気導入が気にならないような技術を取り入れられないのかと。

クラウンと豊田章男

4車種のクラウンは、各ジャンルでトヨタのフラッグシップモデルをクラウンという名前にすると思われますが、顔が揃っているわけではなく、デザイン言語が伝わってくるわけでもありません。
自動車産業が大きく変わろうとしている状況です。
クラウンがこれから何代続くのかわからない、これが最後になるかもしれない。そんな状況だから、(最近のトヨタが好きな)「危機感」を持ちクラウンをフルモデルチェンジするならば、クラウンのネームバリューを使いつくす、やりつくす、ということかなと思います。
それはいいのですが、トヨタはフラッグシップたるクラウン4車種でユーザーに何を提供しようとしているのか、全く見えません。
表面を撫でるだけで、なんら提案のない虚しい、空虚なプレゼンでした。
豊田章男がやたらケツを叩くから急いで色々やってみたんだな、ってのはわかりましたが、ユーザーにはどうでもいいことです。
ユーザーの顔を見て作ったというより、豊田章男のご機嫌を伺って作ったんじゃないかと思わせるようなプレゼンに特設サイトはどうなんでしょう。