テスラのメガパックが火災

オーストラリアに設置されているテスラのメガパックで火災が起きたそうです。

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techcrunch.com

メガパックというのは太陽光発電風力発電、いわゆる再生可能エネルギー向けの蓄電設備です。
1つのユニットが3メガWhで、電池だけでなくコンディショナー、インバーター、温度管理システムが一体となっています。
そのユニットの一つから出火したようです。

オーストラリアのものは最終的に450メガWhになる予定でテスト中だったとのこと。なので、将来的には150ユニットを設置する想定だと思われますが、現状はどのくらい設置が進んでいるのかはわかりませんでした(300メガWhから始めたようなので100ユニットは設置されていると思われます)。

肝心の出火原因ですが、まだわかっていないようです。

メガパックが設置されたオーストラリアのビクトリア州風力発電太陽光発電がすでに盛んに行われているらしいのですが、その代償として電力供給が不安定になり州全体で停電になったこともあるそうです。

いわゆる再生可能エネルギーへ転換するためには安定した電力供給が問題になります。
というのも水力、風力、太陽光など、どれも発電量を一定に保つことが難しく、年間を通して需要量と供給量を一致させることは現実的に不可能です。
そのため、再生可能エネルギー中心の電力供給では需要の少ない時にある程度電気を溜めておく蓄電を組み合わせる必要があります。
蓄電は電池、水素、揚水発電などがあります。
メガパックは再生可能エネルギーを蓄電するための設備です。

ビクトリア州はこのメガパックにより電力供給が安定すると期待されていますが、今回の火事のようなリスクはどうしても避けられないでしょう。
電力需要の高まる夏に起きると州全体が停電したかもしれません。

そう考えると、リスクヘッジとして電池以外の蓄電、水素の活用は当然と考えるべきかもしれません。

FCV、燃料電池車に対する反論?として電気を使って水素を作るのはナンセンスだというものがありますが、再生可能エネルギーへの転換は発電と蓄電を必ずセットにしなければいけません。
需要と供給のギャップが生まれるからです。

風力や太陽光発電で水素を作るというのは蓄電ですので、電気で水素を作るからFCVは意味がないというのは批判としてかなりずれています。
BEVはバッテリー使わずに太陽光パネルか風車をつけて走らせろ、と同程度の意味のない批判でしょう。

問題は蓄電にバッテリーが向いているのか水素が向いているのかです。
利便性はバッテリーにかなり分があると思いますが、バッテリーだけに頼る難しさもあると思われ、水素の活用が必要になるでしょう。

自家用車としてのFCVには私はまだまだ疑問がありますが、私が予想するよりもはるかにFCVは増えるのかもしれないと、今回の火災で感じました。

追記

北海道に作るそうです。ただ、規模はオーストラリアのメガパックと比べるとずいぶんと小さいものになるようです。

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