アップルカーというかEVは販売から40年面倒を見てもらえるのか?

アップルに30~40年車の面倒を見る気概はあるのかというニュース。

iphone-mania.jp

日本では新車から廃車されるまでの期間が平均すると10年ないくらい。平均ですのでもっと古い車も普通に走っていますし、(世界と比較して)日本は中古車があまり売れないので廃車の手続きはされますが中古車は輸出され様々な国で使われています。
40年は少し極端ですが、20年くらいは面倒をみる必要はあるかもしれません。

でも、それって販売するからで販売せずリースにすれば3年とか5年だけ面倒みればいいのでは?という気も。
リースにすることで強制的に新車にアップデートする状況を作れば(下請けする)メーカーも美味しいでしょう。
ただ、ここで一つ大きな問題があります。
二酸化炭素排出量です。
そんなの電気自動車だから関係ないでしょ、というわけにはいきません。

現在、車が排出する二酸化炭素というと燃費ばかり注目されています。なのでEVで騒いでいるわけです。
一方で、これからは製造時と廃棄時に排出される二酸化炭素量を見積もり、燃費と共に評価しようという流れになっています(ライフサイクルアセスメントと呼びます)。

電気自動車は製造時に二酸化炭素を沢山排出するため(製造時の二酸化炭素排出量は2倍程度といわれます)エンジン車に対する優位はなくなり、さらに5年くらいでバッテリーを交換してしまうと、いくら再生可能エネルギーを使用してもEVはライフサイクル全体での二酸化炭素量も多くなり不利になる可能性があります。

電気自動車もこれまで同様に10年くらいは乗ってもらわないと、逆に二酸化炭素排出量が多いのはEV、やっぱりEVよりハイブリッドやPHVがいいですね、という展開を残しています。
というか、冒頭の発言もEVも30年40年走れなきゃ駄目じゃないんですか?みたいな意図があるのかもしれません(ディーゼルはエンジンが丈夫でライフサイクルが長いため復権する可能性すらワンチャンあります。さらにEVは車重が重いためタイヤの負荷、道路の負荷が高く二酸化炭素以外の環境負荷は高くなりやすくEV礼賛が長く続かない可能性も)。

燃費ではなくライフサイクル全体の二酸化炭素排出量を重視すると、リースにより強制的に製品寿命を区切ってしまうとその製品の二酸化炭素排出量は非常に多くなるわけで、これからの自動車業界では生き残れないでしょう(排出権を買うことは考えられますが企業の姿勢として避難は免れないと思われます)。
ということで、Appleが自動車に参入するなら、やはりある程度長い期間面倒をみる覚悟は必要になるでしょう。