本当にホンダと日産は合併を持ちかけられたのか?

ホンダと日産に合併を持ちかけたという話について。

www.bloomberg.co.jp

このニュースがそもそも本当なのかよくわかりませんが、日本政府が両企業に話を持ちかけたのはイギリス工場の扱いについてではないのか?という見方があります。
それがどういうわけか、会社の合併を政府が持ちかけたという話に膨れ上がったとか。

イギリスのEU離脱に伴い、ホンダはイギリス工場を閉めることを決定していますし、日産もイギリス生産を縮小する方向で動いています。
この動きをどうにかしたいイギリス政府と、イギリスに恩を売りたいのか日本政府が両企業にイギリス生産をどうにか維持出来るよう話を持ちかけたのではないか?という話のようです。

EUでの自動車生産はハンガリーが中心になりそうな勢いでドイツもフランスも雇用が失われないかと心配しているところで、イギリスはハンガリー移行に加えさらにEU離脱が重なりピンチという状況。

自動車生産は日本での生産と同様にヨーロッパにおいて多くの下請け企業が影響を受けます。工場の直接的な雇用だけでなく下請けの仕事もなくなると、小さな町一つ分の仕事がまるまるなくなってしまう、なんてことになってしまうので、大事なわけです。

なので、せめてホンダと日産で工場を集約して共用出来ないかという話になったのでしょう。このような例はないわけじゃなく、例えばメキシコのマツダ工場ではトヨタ車も作っています。
これは最初からマツダの工場で北米向けトヨタ車を作る計画でメキシコ工場を作ったわけですが。

実際に政府が介入した例ですと、トヨタがヨーロッパで販売しているアイゴという小型車はフランス政府の要請でトヨタプジョーシトロエン合弁会社を設立し開発、製造されています。

ホンダと日産が合弁会社を立ち上げてイギリスに新工場を作る余力があるわけもなく(もしかしたら電気自動車専用なら新工場を立ち上げるメリットはあるかもしれませんが、急速に電気自動車へ移行するのかはEUですら怪しい雲行きな現状で舵を切るのは難しいでしょう)、門前払いとなったのでしょう。

というわけでホンダと日産本体が合併するよう促したというのは本体ではなく、イギリス工場をどうにかするため何か出来ないか持ちかけられたと予想されます。