市販車にLiDAR採用はボルボが最初になる?

ボルボが2022年生産開始する市販車でLiDARの搭載を表明しました。

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LiDARは自動運転のためのセンサーとして本命視されていて、自動運転の実験車両には複数台搭載されていますが、現在では市販車に搭載したものはないかと思います。

では、自動運転に必要なLiDARをなぜ市販車に使わないのか?理由はいくつもあると思います。
一つはまだまだ高価なこと。LiDAR自体が高いこともありますが、LiDARから得られる情報量は多く、それを処理するためのシステムが必要になるためさらに高価になります。
LiDARを搭載したものが100万円上乗せとなったら、スバルでは標準装備となったアイサイトのようなステレオカメラタイプと比べた時にLiDARの価値をユーザーに訴求出来るかというと、難しいでしょう。

もう一つは現状では悪天候に弱い。強い雨や雪での誤作動は初期のアイサイトでもありましたが、LiDARは悪天候がまだ苦手です。悪天候に強いミリ波レーダーで補うことも可能だと思いますが、天候により運転アシストの精度が変わってしまっては、命に関わる製品として販売出来るのか疑問が残ります。

さらにもう一つだけ挙げるとすれば、LiDARから得られた処理をするためのハードウエアを動かす電力の確保が限られること。
恐らくマイルドハイブリッドで使うようなバッテリーでは力不足で、プリウスなどのストロングハイブリッドで使うバッテリーかPHVで使うバッテリーが必要になるでしょう。
欧州勢はストロングハイブリッドはほとんど諦め、48VマイルドハイブリッドかPHVの二択になりそうなので、ボルボはPHV(もしくはEV)でLiDARを搭載すると予想されます。
現状でPHVがどれだけ選ばれているかというと、数年前の予想よりも伸びが悪く、さらに悪いことにコロナウイルスの影響で先行きは不透明で予想も難しい状況です。
それでも、PHVやEVをある程度販売していかないのは変わりなく、日本車ならトヨタのMIRAIのような車種に少しずつでも搭載していくのかなぁと思われます。

ときどきLiDARは自動運転の夢を実現するセンサーのように書かれる記事を目にすることがありますが、庶民が手にするのはまだまだ先なのかなと思います。