EVのトランスミッションは普及するのか

ポルシェが電気自動車のタイカンを発表しました。
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このタイカン、市販電気自動車としては初めてトランスミッションを装備しています。
これまでの電気自動車は変速機がない状態でした。エンジンしか持たない車が一速しかなければまるで実用的じゃありませんが(常に二速発進するとしても二速だけでも実用的な車になりません)、電気自動車の場合、モーターのトルクは回りはじめた時に最大となるので一速や二速は不要です。
さらにエンジンよりも回転数を高くすることが出来るので四速あたりも不要。
逆に電気自動車には五速、六速に相当するものがないのでスピードを上げるほど燃費(電費)は悪くなります。
制限速度のないアウトバーンのドイツでは物足りないと考えたのでしょうか、ポルシェはタイカンに市販電気自動車としてはじめて二速を装備させました。
そのトランスミッションはZF製で、70km/h以上で二速に入るそうです。
日本の場合、高速道路を除けば制限速度の上限は60から80km/hですので、下道で走る分には電気自動車に二速は不要かもしれません(重量増で燃費が悪くなってしまいますし)。
ちなみにタイカンの最高時速は260km/hとのことです。
それに、今のところは航続距離がカタログ値でも400km程度なので、高速を使った移動も少ないでしょう。
なので、電気自動車ではトランスミッションが普及するのはまだ先で、航続距離が延びてからなのかなと思います(もしくは充電時間が十分に短くなってから)。
ただ、もしかしたらPHVでの採用はあるのかもしれません。
ポルシェのようにブランドイメージからトランスミッションが必要になる場合を除けば、多くの電気自動車では今のところ必要ないのかなと思います。