テスラのトラックは160万km走っても壊れないらしい

テスラがトラックSemiを発表しました。

いくつか面白いところがありますが、その一つが左ハンドルでも右ハンドルでもなくドライバーは真ん中。数少ない右ハンドルの地域でも販売することを見込んでいることの現れです。またカメラやセンサーを利用した補助は運転席が真ん中の方が作りやすいなどの理由もあるのかもしれません。

モーター4つは使用するそうですが、モーターはモデル3と同じもの。モデル3は基本1つでオプションの4WDでは2つ使います。そう考えると力不足ではないかと思いますが、0-60mph加速は約36トンの荷を積んだ状態で20秒とのこと。時速60マイルは時速約96kmです。

1回の充電で500マイル(約800km)の走行が可能で、新型急速充電(Megacharger)なら30分で400マイル(約640km)の充電が可能。Megachargerを使えば十分な距離を走らせることが出来そうです。Megachargerはテスラが設置するようですが、足りない分を運輸事業者が充電設備を用意出来るのか、また急速充電の普及で問題視されている送電設備も問題になってきそうです。

1マイルあたりの電気代はディーゼルの15%減とのこと。さらに100万マイル走行しても壊れないとのこと。これはEVの方が部品点数が少なくなるため故障が少ないというアピールでしょう。100万マイルで燃費だけで20万ドル以上のコストを削減できるとのこと。

一方で、100万マイル(160万km)くらい走らないとランニングコストの安さで車両本体価格の価格差が追いつかないのかもしれません。

タクシーは90万kmくらいで入れ替える、なんて言いますが、その倍近く走ることが出来るのであれば驚異的です。もちろん、それなりの交換などは必要になるとは思いますが。

ちなみに日本の8トン以上の事業用トラックの平均年間走行距離は国土交通省の資料によると67,771km。年間8万km走っても160万kmまで20年間使えることになります。テスラは電池の保証を行うということですが、保証は恐らく走行距離か使用年数になると思われるので、160万kmは日本ではオーバースペック、既存のトラックとの価格差を埋められないかもしれません(バッテリーは800kWhで70万ドルという噂もあります)。

運転席では立つことが出来るそうですが、横になって寝るスペースはないそうです。寝るスペースがないのは長距離トラックとしての使用を想定していないのかもしれません。

大型トラックはEVよりも燃料電池車(FCV)が本命と考えられていますが、テスラはどのくらい勝算があると踏んでいるのか。2019年に製造開始ということですが、それまでにモデル3はどのくりあ製造出来ているのか。

また電池が重いので積載量が減ること、日本では車両総重量によっては通行できる道路に制限が出てきます。日本での使用に関しては坂道でどのくらい走れるのか、という問題もあります。

正直、どのくらい本当なのかというところもありますし、トラックの本命はやはりFCVのような気がします。

追記
300マイルが15万ドル、500マイルが18万ドルとのこと。電池だけで40万ドル以上とみられていますが、それまでに電池を安くする算段がついているのでしょうか?