長く乗っている車の振動が急に大きくなった原因は?

エンジンマウントの劣化

エンジンはシャーシに固定されていますが、そのままくっつけるとエンジンの振動が直接伝わるため、エンジンとシャーシの間にエンジンマウントというゴム製の部品を使います。
ゴム製なので必ず経年劣化します。使用状況や気候などで劣化の度合いは変わりますが、10年程度経過していればエンジンマウントはかなり劣化しています。

エンジンマウントが劣化すると、アイドリング中でも振動が大きくなります。基本的には徐々に劣化するので少しずつ振動が多くなり、エンジンマウントの劣化には気が付きにくいと思います。時々、エンジンマウントがガクッとダメになる場合(割れたりします)があるので、その場合は振動が急に大きくなり気が付きます。

直ぐに修理が必要というわけではないので、買い替えが近いのであれば我慢するのも手かと思います。

サスペンションの劣化

ダンパーとかサスペンションとかショックアブソーバーとか呼ばれる部品ですが、これは路面の凹凸を吸収する働きをしています。
ダンパーはオイルやガスが入っていて、これ効いていると衝撃や振動を和らげます。経年劣化でオイルやガスが抜けると衝撃や振動がほぼ直接伝わるため乗り心地が悪くなります。この状態をショック抜けとか呼んだりします。

アイドリング中は問題ないけれど走行中に振動が大きくなる場合はダンパーが原因である可能性が高いと考えられます。ショックが抜けた状態では乗り心地が悪いというだけでなく、荷重移動が上手く行えないので、曲がったり止ったりという基本がおかしくなる危険な状態なので修理する必要があります。

ショックを取り付けているアッパーマウントもへたるので、ショックアブソーバーが問題なくてもアッパーマウントがダメになっている場合もあります。

エンジンの気筒が1つダメになっている可能性

エンジンは3気筒や4気筒、6気筒が多いのですが、偶数が基本でこれは振動を減らすためです。3気筒というのは例外で2気筒よりも3気筒の方が振動が少なくなるためです。

4気筒ならシリンダーとピストンの組み合わせが4つ、6気筒なら6つありますが、1つくらい動かなくなってもエンジン自体は動き、車も動きます。ですが、当然調子は悪いわけで、その症状の一つは振動に現れます。

1気筒だけダメになる理由は様々あり、場合によっては修理代が10万円くらいかかります。1気筒だけダメになっても走りますが、当然その分の力がでないので修理しないと実用的ではありません。

ハブベアリングの劣化

ハブベアリングはタイヤを取り付けている部分に使われるベアリングです。ハブベアリングが劣化すると振動というよりは変な音が出ます。

異音がなくても念のため10万キロくらいで交換する方もいますが、異音が出てから交換する場合がほとんどです。振動だけでなく、走行中に変な音が出て来る場合はハブベアリングの可能性が高いでしょう。ハブベアリング自体はそれほど高い部品ではありませんが、工賃がそこそこかかります。

異音が出たらすぐに交換しないといけないものではありませんので、買い替え予定があるのであれば、我慢もありかと。

その他も

他にもタイヤの空気圧が適性でない、タイヤの劣化など他の理由も考えられます。ただ、長く乗っている車に限りるとエンジンマウントやサスペンションが影響している可能性が高いと思います。