日中フォグランプを付けている人がいる?

日中にフォグランプを付けている車がいます。
フォグランプは名前の通り、霧で視界が悪い時に使うものでした。そのためヘッドライトとは違い、霧の中でも見やすい黄色いライトでしたが、最近では黄色いフォグランプは減っています。

最近ではフォグランプは霧の中で使うもの、というよりはデイライトやヘッドライトでは照らせない車の近くを明るくするために使われるようになったからです。

デイライト(DRL、デイタイムランニングライト)というのは、日中でもヘッドライトや専用のライトを点灯させることで、日本ではタクシーがデイライトを実施しています。デイライトによりヘッドライトの交換時期は短くなるものの事故が減るため、費用の収支では得になるそうです。

EUでは2011年2月以降の新車にデイライト装着を義務付けていて、標準装備となっています。しかしEUの基準の国内の保安基準が異なるため、国内に輸入されるドイツ車などはデイライト機能を殺した状態になっていました。

しかし2016年から国内の保安基準は国連の「車両等の型式認定相互承認協定」に基づき変更されたことでデイライト(昼間走行灯)が国内でも規定され解禁となりました。この変更を受けアウディBMWはデイライトの標準化を表明しています。他の海外メーカーやレクサスなどもこれに続くものと思われます。

EUではデイライト義務化によりフォグランプがなくなりつつあります。単純にデザイン上の問題でデイライトに押し出されて配置場所がなくなったような状態です。
国内でもデイライトが義務化されるかわかりませんが、既にバイクのヘッドライトは常時点灯となっていますので、自動車も義務化されておかしくはありません。

ところでデイライトがなぜ有効なのかというと、日中にライトを付けることで他のドライバーから車の視認性(被視認性)がよくなるから。被視認性だけでなく、薄暗くなってもなかなかヘッドライトを付けない方や強い雨でもヘッドライトをつけない方もいますから、常時点灯のデイライトは有効だと思います。

日中にフォグランプのようなものをつけている車がありますが、これまでフォグランプが付いていそうな場所だけれど”昼間走行灯”や”その他灯火”という扱いで、デイタイムランニングライトとして使っているケースがほとんどです。

”昼間走行灯”や”その他灯火”も保安基準は色々とありますが、取り付け位置には決まりがないので、フォグランプを入れるところを使いデイタイムランニングライト化しても問題ありません。

http://www.mlit.go.jp/common/001154266.pdf
”昼間走行灯”の要件になります。

ちなみに新しく設けられた”昼間走行灯”ではなく”その他灯火等の制限”に準拠していても、法律的には問題ありません。たとえば、”昼間走行灯”は白に限られますが、”その他灯火”は白でなくても構いません。実際、青系のLEDを使っている車も見かけます。また”昼間走行灯”はヘッドライトを点灯した時は消灯するように連動させる必要がありますが、”その他灯火”は一緒に点灯させても構いません。
この辺の矛盾はデイライトが義務化、標準化されない限り解消されないかもしれません。