ゼブラゾーンを通っても違反ではないけど、入らない方がいい

ゼブラゾーンは白線の内側に斜線が引かれた部分で、導流帯といいます。道路交通法では「円滑な交通を誘導する必要がある場所」とし、特に通行を禁止していません。なので、はみ出し禁止ではありませんし通行区分違反にもなりません。

オレンジの線の内側に白い斜線が引かれているのは安全地帯で、こちらは車両の進行が禁止されています。
消防署の前によくあるのは駐停車禁止をわかりやすくしているものでゼブラゾーンとはちょっと違います。通ることは出来るけど、信号などで停止してはいけません、というやつです。表示がなくとも消防署前は駐停車は禁止されていますが、それをわかりやすく示しているものです。

ソニー損保のサイトでは

しかし、やたらとゼブラゾーンに入るものではないと考えられています。
そのため、ゼブラゾーンを走行する車両が事故を起こした場合には、過失割合が加算されることがあります。

交通ルールについてのよくある質問|交通事故の過失割合 【ソニー損保】

とあります。

右折レーン手前にゼブラゾーンがある場合、ゼブラゾーンに沿って右折レーンに入ろうとした車とゼブラゾーンを突っ切った車がぶつかった場合、車線変更の際に後方確認が十分ではない、というわけで律儀にゼブラゾーンに入らなかった側の過失割合が高くなる可能性があるそうです。

車線変更時の事故は車線変更を下側の過失が7、相手側が3が基本ですが、ゼブラゾーンが関係すると6:4くらいになることもあるそうです。過失割合は事故によって変わるので、ゼブラゾーンを通行していた側の方が過失が大きい、というケースもあるようです。例えば、右折レーン手前のゼブラゾーンから直進レーンに入る際の事故はゼブラゾーン側の過失がかなり高くなるそうです。

こうなるとゼブラゾーンの「円滑な交通を誘導」という意義が問われるような気がします。実際に、裁判でゼブラゾーンを走っていない側が不利になるのはおかしいから法整備が必要、との判決文はあるそうです。しかし、ゼブラゾーンに関する改正は行われていません。時差式信号はわかりにくいので矢印信号に変わってきていますが、ゼブラゾーンを止めようという動きもありません。

今のところはゼブラゾーンに入らないというのは、マナー程度でそれだけで入っても違反ではありません。ただ、事故の際は過失割合が加算される可能性があることは頭に入れておいた方がいいかもしれません。