EVでもなく、ガソリンも使用しない次世代自動車まとめ

このところヨーロッパでガソリンエンジンディーゼルエンジン廃止の動きが活発になっています。

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イギリスの場合はハイブリッドも販売できない、とのこと。ガソリンや軽油を燃料としない場合はどうなのか、わかりませんが、それ以外に使われるかもしれない燃料についてまとめてみました。

メタン

ガスで走る車は日本にも沢山あります。主にタクシーです。タクシーに使われるのはLPG、液化石油ガスです。灯油ストーブとガスストーブではガスストーブの方が壊れにくいのですが、それは燃料のガスに余計なものが入っていないから。ガスの方が純度が高い燃料で、窒素酸化物や硫黄酸化物PM2.5で有名な微小粒子状物質などが排出されません。ガスを燃料とすることで車の排気ガスはクリーンになります。
実際、LPGは次世代自動車として有用ではないかと考える事もあるのですが、トルコなど一部の地域のみで世界的にはそれほど進んでいません。

一方で別のガスを燃料とした自動車の開発が進められています。それはメタンです。メタンの利用はアウディが研究を進めています。
メタンはバイオメタンと呼ばれる製造方法と合成とがありますが、合成の際に二酸化炭素を原料とすることが出来ます。
再生エネルギーを利用して原料となる水を電気分解し水素を発生、さらに工場などから排出される二酸化炭素を反応させることで、二酸化炭素排出量は-80%に達すると見込んでいます。さらに、コストは再生可能な電力よりも安く、つまりEVよりも安く車を走らせることが可能だと試算されていることから、メタンが有力な燃料になる可能性はあります。

メタノールエタノール

メタノールエタノールも燃料として注目されています。ガソリンにエタノールを混ぜたものが日本でも15年くらい前でしょうか、販売されていました。ガイアックスというやつです。原油の枯渇が心配されたこともあり、一時期がちょくちょく見かけましたが今ではなくなりました。法律で販売出来なくなったからです。
日本ではなくなりましたが、エタノールをガソリンに混ぜるというやり方は世界的には残っていて、現在販売されている車のほとんどがエタノールを混ぜたガソリンに対応していると言われます。
日本では販売されていませんが、もしかしたら再開する可能性はあると思います。バイオエタノール、バイオメタノールが製造されているからです。いわゆるバイオマス燃料ですが、カーボンニュートラル、固定化された炭素を排出しません。二酸化炭素排出量を考えるとメタノールエタノールをガソリンに混ぜるのが当たり前になる可能性はあります。
ガソリンに混ぜるだけでなく、エタノール単体を燃料とすることも可能です。ただ、現状ではバイオエタノールはガソリンよりも高く、熱量が低く出力が劣るためプラグインハイブリッドなどで補う必要がありそうです。

水素

水素を燃料として利用する場合、燃料電池として使うもの、水素を直接使うものと2種類があります。水素を燃焼させるタイプは新しい話が出てこないので、開発は行き詰まっているのかもしれません。燃料電池の方は電気自動車に負けると言われていますが、大型トラックや大型バスは電気自動車ではなく燃料電池車になる可能性が高いと言われています。
燃料電池車(FCV)というのは、車に水素ボンベを搭載し、水素と大気中の酸素を化学反応させ電気を取り出すものです。取り出した電気でモーターを動かします。EVと比べると大型バッテリーを必要としないので、大型トラックやバスに向いています。
特にトラックは航続距離が重要になりますが、航続距離がバッテリーの大きさ・重さに制限されるEVよりも燃料電池車の方が有利になるという考えられています。
水素の補給、水素ステーションが課題とされていますが、定期便の配送トラックであれば補給地点が限られるので大きな問題ではないでしょう。
EVに押されてオワコン扱いのFCVですが、実用化される可能性はまだ十分にあります。

まとめ

メタンや水素、バイオアルコールなど、いずれも補給が問題となります(もちろんEVも同じですが)。大型トラックや路線バスなどは補給が限られていても(タクシーがそうであるように)実用上問題ない可能性は高いため、そういったジャンルで採用される可能性があります。
ただ、メタンも水素もアルコールも、とはならないでしょう。