乗用車に沢山荷物を積む場合の注意点

貨物車には最大積載量という決まりがありますが、乗用車は荷物を運ぶ用途を想定していないので、最大積載量という概念がありません。また罰則もありません。ただ、沢山の荷物を積むと制動距離が伸びる、サスペンションが沈み最悪の場合機能しない、ロール量が大きくなる、など安全に運転出来なくなるので積みすぎには注意が必要です。

積載量の目安

乗車定員×55kg+手荷物(10kg)が乗用車の最大積載量の目安となっています。

乗用車(ワゴン車含む)の最大積載量・室内に何�sまで荷物を積めるか教えて。


乗車定員一人あたり55kgとなると、大柄な方が目一杯乗ると既に最大積載量の目安をオーバーしてしまうことになっちゃいます。

8人乗りなら
8×55+10=450kg

5人乗りの車の場合は
5×55+10=285kg
となります。

ということは5人乗りの車に70キロを超える中年男性が4人乗るとギリギリアウトの可能性があります。実際、後部座席に2人乗ったカローラのリアサスペンションがかなり沈みこんでしまっている状態を時々見かけますが、車によっては厳しいのかもしれません。ちなみにプロボックスは商用車のため最大積載量が規定されていて、こちらは400kgとなっています。サスペンションの仕様などが異なるのでカローラクラスで400kgはちょっと厳しい気がします。

タイヤから考える

定員ではなくロードインデックスから積載量の上限を考えることも出来ます。
例えば新型セレナのタイヤはロードインデックスが91で負荷能力は615kgです。タイヤは4本なので負荷能力は2460kgになります。
セレナの車両重量は4WDで1770kgですので、

2460-1770=690kg

となり、車体以外に690kgを乗せてもタイヤは耐えることが出来る計算になります。

ということはドライバー以外に600kgくらい荷物を積んでも(安全に運転出来るかは無視すれば)タイヤは耐えられそうです。ただ、そこまで積むとサスペンションは沈みっぱなしで車線変更するだけで横転しそうですし、ブレーキもかなり厳しいのではないかと思われます。

とはいえ載せすぎには注意が必要

重量的に問題がない場合でも、荷物は動かないように固定するべきです。最悪の場合、発進時に荷物が転がってリアウィンドウガラスが割れます。ガラス交換は車種によりますが10万円くらいかかるので、慎重に。

自営業などの方がワンボックスを仕事と兼用するケースがありますが、重い荷物を積むことがわかっている場合はサスを固くして対応する方もいるそうです。最大積載量がないとは言え、荷物の積み過ぎは安全な運転が出来ません。というわけで、荷物を積む用途をメインに車を選ぶのであれば1ナンバーや4ナンバーの車にした方がいいかと思います。