なぜAMGは1.6リッターのスーパーカーを作るのか

メルセデスAMGがF1と同じエンジンを採用したハイパーカーの詳細を発表しました。

response.jp

現在、F1は1.6リッターのV6が採用されていますが、2リッターに満たないエンジンを、間違いなく1000万円以上、たぶん2500万円くらいの車に採用するというのは思い切ったことです(桁が違って2億円以上の予定だそうです)(かつてバブルの頃日本でも1.6リッターV6エンジンはありましたが、それ以降の6気筒では最小の排気量かもしれません)。

また、ベンツのラグジュアリークーペはロングノーズのイメージが強いのですが、リアエンジンなのでノーズは短いスーパーカーっぽくなりそうです。

エンジンにモーター3つの組み合わせはホンダのNSX、レジェンドを思い浮かびます。ただ、システム全体で1000hp以上ということなので、別格です。ホンダもF1エンジンでNSX TypeRをやって欲しいところです。ちなみにF1のエンジンは500~600hp程度といわれています。モーターで500hp近くを出すのは不可能ではないものの、ちょっと難しいような気がするので、レギュレーションによる制限がないのでエンジンだけで800hpくらいになるんじゃないかなぁと予想します(エンジンのみだと燃費は2km/lないでしょう、ハイブリッドで10km/lくらい、PHVなら20km/lくらいになるかもしれません)。

さて、AMGがなぜこんな車を作るのかという疑問があります。一つはF1の開発費用を多少でもペイしたいと考えているのかもしれません。

DTMsuperGTのように出来るだけ市販車を活かす、市販車に還元できるレギュレーションと違い、フォーミュラカーは市販車とはかけ離れています。オープンホイールではありませんが、フォーミュラEは市販車に活かすことができそうです。これらに対しF1は市販車、本業に活かすことが難しいのが現状です(1.6リッターの4気筒という案もありましたが6気筒になってしまい、市販車への応用が難しくなったかなぁという気がします)。

そのためAMGが1.6リッターという超高級車のこれまでの概念には見合わないエンジンを採用することにしたのではないかと思われます。

また、欧米メーカーがこぞってPHVを作り始めているように、いわゆるエコカーをそれなりの割合で作らないといけない事情があります。2020年からEUで始まる二酸化炭素排出量規制があります。

ドイツがロビー活動をしてメーカー単位ではなくグループ企業全体となったのでポルシェなんかは気にしていない感じがありますが、小型車が少ないベンツやBMWあたりは頑張らないといけません。

BMWは既にi3やi8などがありますが、ベンツにはそれがないのでEV開発を急いでいます(スマートはありますが)。当初は2020年までに発売とされていましたが、2018年にも登場との噂がでています。それだけでは十分ではないので、プラグインハイブリッドの採用、ハイブリッド化を進めているのが現状です。

そんな規制もあり、1.6リッターエンジンにモーターの組み合わせを検討したのかなと考えられます。

高級車こそ大きなエンジン、というイメージを作り変えられるのかどうかに注目です。