道路交通法改正で生まれた準中型免許と今までの免許の違い

準中型免許が新設されました。

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これは高卒1年目から配送トラックの運転を可能にするための変更と言われています。準中型免許はいわゆる2トントラックの運転が可能になり、コンビニや宅配便などの配送業務が高校新卒の方も可能になります。

配送トラックの他にも送迎用のハイエースを普通免許でも運転できるように乗車定員を10名以下からの引き上げ、14名程度まで引き上げる要望もありましたが、こちらは見送りに。普通、準中型、いずれも10名以下です。2007年以前に取得した普通免許は8t限定中型免許になりますが、こちらも乗車定員は10名以下です。

準中型と新しい普通免許

新たに設けられる準中型免許は自動車免許がない状態からの取得が可能、すなわち18歳から取得が可能です。ただし普通免許よりも教習数は多くなり最短でも17日間(普通免許よりも2日間多い)教習が必要となり、教習料も4万円程度高くなるそうです。

教習に使われる車は全長、全幅ともに普通免許に使用されるものと同等のサイズですが、小型トラックの使用が求められていて、また検定にはダブルキャブを推奨しているので教習車もダブルキャブ(後部座席のついた小型トラック)になりそうです。

新設された準中型免許ではいわゆる2トントラックと呼ばれる、車両総重量3.5トン以上、7.5トン未満のトラックの運転が可能です(2007年6月1日までに取得した普通免許は8トン未満の中型免許になっているので、その兼ね合いで7.5トン未満となったのでしょう)。

準中型免許には改正後も2種免許がないため、準中型免許に該当する車両であってもバスやタクシーなど2種免許が必要な場合は2種中型免許が必要になります。準中型免許の乗車定員は10名以下なので、該当する車両であっても現実的には中型免許が必要になるので、今後も2種準中型免許というのは設定されないものと思われます。

改正前(2007年6月2日から2017年3月11日まで)に取得していた普通免許は準中型の車両総重量5トン未満限定に変更されます。

準中型免許を新設したことで、普通免許は車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満までの運転に変更されます。

分類をまとめると

  • 大型
  • 中型(20歳以上、普通免許取得から2年以上経過の要件)
  • 中型8t限定(2007年6月1日までに取得した普通免許)
  • 準中型(総重量7.5t未満)
  • 準中型5t限定(2007年6月2日から2017年3月11日までに取得した普通免許)
  • 普通(総重量3.5t未満)

中型、準中型いずれも限定があり、ちょっと複雑になっています。

新しい普通免許でもタウンエーストラックやボンゴトラックのようなものは運転が可能です。日本では売っていませんがタンドラのようなフルサイズピックアップトラックもギリギリ運転が可能です(いずれはハイブリッド化で車両総重量が3.5トンを超える日が来るかもしれません)。

車両総重量5t未満となると2tトラックなども運転が可能になりますが、コンビニや宅配便に使われる配送トラックは冷蔵装置やハイブリッド化などで総重量が5tを超えるのが一般的です。他にもユニック車(クレーンが付いたトラック)も5tを超えてしまいます。工事現場で見かける2tトラックは総重量が4tちょっとなので過積載さえなければ大丈夫。

中型8t限定は乗車定員10名以下なのでマイクロバスの運転が出来ませんが、配送トラックの多くを運転が可能です。

もちろん免許に指定される総重量が超えたものを運転すると無免許運転になります。引っ越しなどでレンタカーを借りる際は免許証の確認が行われると思いますが、知り合いから借りる場合などは運転が可能なのか自分自身でしっかりと確認する必要があります。

限定解除

中型8t限定の解除(制限のない中型免許への変更)、準中型5t限定の解除はいずれも教習所で教習を受けるだけで可能です。中型8t限定は車両総重量だけでなく乗車定員も10名以下から29名以下へ変更され、マイクロバスの運転も可能になるので用途が一気に広がりメリットが大きい一方で、準中型5t限定を解除しても乗車定員は変わらないのでメリットはそれほど大きくありません。積荷や車の設備によっては準中型5t限定でも仕事に使えますが、仕事で使えないなどの場合に限定解除する程度でしょう。

まとめ

準中型を新設したことで高校新卒者も配送業務に携わることが可能になりました。一方で新しい普通免許は制限がより強くなってしまいました。これまでの改正との整合性を重んじたばかりのように思え、合理性のある改正なのか疑問はありますが、それでも運送業の現場は今後多少はよくなるのでしょうか?