電気自動車、プラグインハイブリッドの充電って実際どうなの?

新型のプリウスを街中で沢山見かけるようになりましたが、トヨタの本命はプラグインハイブリッドのプリウスのようです。よりEVに近いプラグインハイブリッドのプリウスプリウスよりもさらに燃費がよく、通常は電気自動車として使うことができます。プラグインのプラグは充電プラグを指します。つまり充電して使うハイブリッド自動車プラグインハイブリッドです。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)で気になるのは充電方法ではないでしょうか?航続距離については普段の運転やどの位の遠出をするのか、人それぞれですが、自分で把握していると思うので、航続距離は十分かどうかは把握できます。しかし、充電となるとその勝手がよくわかりません。毎日充電が必要なのか?マンションでも充電出来るのか?電気代はどのくらいなのか?工事が必要なのか?アンペアはどのくらい必要なのか?などなど。ディーラーで聞けば詳しく教えてくれますが、ディーラーへ行く以前にもうちょっとイメージしやすいような宣伝があってもいいと思うのですが。

EV、PHEVの充電

さて、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHEV)の充電方法は

  • 自宅に200Vの充電設備を用意する
  • 自宅に100Vの充電設備を用意する
  • 外で充電する

の3つのパターンがあります。

外で充電する、というのは公共施設や大型スーパーなどに設置されている急速充電装置を使います。意外なことに、充電は外でのみ、というユーザーは少数ですがいるそうです。

gazoo.com


この記事によればEV、PHEVの車種によりユーザーの充電方法の割合に多少の差があるようですが、全体的には9割以上が自宅に充電設備を設置して自宅での充電を中心に利用しているそうです。逆に言うと、1割近い方は自宅に充電設備を持たずにEVやPHEVを利用していることになります。自宅駐車場の形態によっては充電設備を用意することが難しい場合もありますが、そんなケースでもEVやPHEVを使える可能性はあります。


自宅に充電設備がなくてもEVの運用は可能なのか?
日産が自宅に充電器を用意できなくてもEVを通勤に使えるのか、テストを行っています。

evblog.nissan.co.jp


【トピック】高橋敏也のオーテック「リーフ エアロスタイル」で5日間無充電通勤チャレンジ - Car Watch


上の記事によれば週に1度か2度、急速充電を行えば自宅で充電を行わなくてもEVで通勤が可能という結論になっています。下の記事では片道15kmの距離なら1週間充電しなくてもなんとか使えたとのこと。利便性は劣りますが、ディーラーが近くある場合や、ショッピングセンターの急速充電設備が近くにあるのであれば、自宅に充電設備を用意できなくともEVやPHEVの運用は十分に可能でしょう。

急速充電施設も以前はディーラーや公共施設、高速道路のSAが中心でしたが、最近はショッピングセンターやコンビニなどにも設置され、充電している様子をよく見かけます。そういった施設で充電するユーザーは全体の半分程度のようです。充電の様子を見かけるようになったというのは、それだけEVやPHEVが増えているということなのでしょう。

ショッピングセンターやコンビニなどに設置されている充電器ですが、NCS充電サービスというものです。各自動車メーカーによる合資会社となっています。利用には専用の認証カードが必要となります。

NCS充電サービスなど、外で充電設備を利用する際の料金ですが、例えば日産の場合、ゼロエミッションサポートプログラムに加入するとディーラーでの充電は無料となります。ゼロエミッションサポートプログラムは月額3000円のものと1500円のものがあり、3000円の方はディーラーでの充電以外にNCS充電サービスも使い放題になります。ゼロエミッションサポートプログラムは充電以外のサポートも充実しているので、充電にかかる料金は実質タダという感じになります。また、アウトランダーPHEVなどがある三菱自動車もNCS充電サービスがお得に利用できるサービスを用意していますが、今後は日産と共通化するのではないかと考えられます。

ただし、今後は急速充電設備の使用料については高くなることはあれど、安くなることはないものと思われます。急速充電設備をある程度の数が必要ということで赤字でも設置数を増やし続けていましたが、いつまでも赤字というわけにもいかないからです。徐々に赤字を少しでも減らす方向へ向かっていますので、少し高くなると思われます。

急速充電設備の注意点の一つは、90%から80%程度までしか充電できないことです。急速充電設備は最大電圧にばらつきがあるため電圧の低い設備では80%程度までしか充電できません。外での充電を考えるのであれば、近くの充電設備の電圧を調べておくといいかもしれません。

家庭に充電設備を設置する場合

充電用の200Vの電源は3相(動力)ではなく単相を利用します。3相と単相では電力会社との契約が異なるので、既に動力を引いてあるご家庭や工場でも単相の契約が必要です(ただ、実情としては3相から単相を取り出して充電に回すという使い方はそれなりに行われているようです。しかし、契約違反なので訴えられる可能性があり、実際に裁判になったこともあるそうです)。
100Vでも充電は可能ですが、充電に必要な時間は200Vの倍となります。ほとんどのEV、PHEVは一晩で充電できるように容量が設定されているため100Vの充電は夜中に充電しても朝までにおわらないことになります。そうなると毎日乗るというような使い方が出来ない可能性があります。距離が短い場合は100Vでも問題ないかもしれませんが、普通の車のように使うのであればEVの場合は100Vでの充電は厳しいと思います。PHEVの場合はEVよりも融通が効きますが、PHEVのメリットが活かせないので、やはり充電は200Vの使用を考えた方がいいかと思います。それでも100Vで充電を行っているユーザーは1割ない程度はいるので全く使いものにならないというわけではないと思いますが、それぞれなんらかの事情があり200V使えないためと思われます。

一戸建ての場合は充電設備を新たに用意するケースがほとんどのようですが、集合住宅の場合は新たに設置するのはなかなか大変なようです。特に賃貸では難しく、EVやPHEVを利用する際はディーラーやショッピングセンターに設置された充電施設を使うことになります。分譲の場合は充電施設が設置されているケースは少ないもののあるようです。また、新たに設置するケースもあるそうです。しかし、ほとんどの分譲マンションには充電設備がなく、今後そういった物件が増えるのか、見通しはわかりませんが、充電設備の数と利用者の数や専有が起きないような仕組みづくりなど、難しい問題もあります。このような事情から、集合住宅の場合は外で充電することを念頭にいれて検討する必要があります。

まとめ

EVやPHEVにするのであれば、自宅に充電設備を整える方が使い勝手はいいものの、使い方によってはディーラーなどの急速充電施設での充電だけでも十分に使えそうです。ただし、バッテリーは劣化すること、寒くなると燃費(電費)が悪くなることは考慮しないと、思っていたように使えないかもしれません。