未成年の交通違反は案外複雑なことになる

未成年には罰金は科せられない

自動車の免許は18歳から取得できますが、現在の日本では20歳で成人で20歳未満の未成年は刑事罰を受けません。なので、18歳、19歳のドライバーが交通違反を犯しても刑事罰である罰金刑は科せられません(行政処分による反則金は科せられます)。
罰金がなくて前科にもならずラッキーかとおもいきや、未成年の場合は保護観察か少年院に送られる可能性があります。

交通違反による保護観察処分

少年院送りとはならず、保護観察処分となった場合も結構たいへんです。
担当の保護司と月に最低2回の面談を行います。この面談で、裁判所や保護観察所で決められた事が守られているか確認します。さらに交通法規に関するレポートの提出や座学の出席が必要になります。
これらが守られない場合は少年院行きとなります。

初心者運転特例

さらに免許取得から1年未満の場合は通常の行政処分の他に初心運転者講習を受ける必要があるかもしれません。
初心運転者講習を受ける条件は

  • 1~2点の交通違反を繰り返し、合計点数が3点以上となった場合
  • 1度の違反で3点となったときは、その後再度違反をして、4点以上となった場合
  • 1度の違反や事故で4点以上になった場合

の3つがあります。

保護観察となる場合は4点以上の違反ですので、初心運転者講習は必須となります。この講習を受けないと再試験を行い、不合格の場合は免許取り消しとなります。

処分時に20歳以上になっていれば通常の刑事罰

違反した時が未成年であっても、処分を受ける時に成人していれば、成人と同様の処分となります。18歳の時に犯した違反を20歳まで待って処分とはいきませんが、違反したのが19歳で誕生日まであと半年であれば、成人を待って処分という可能性があります。
こうなると、言ってしまえば違反した側は(人身事故などではなく違反であれば)かなり楽になります。

逆に20歳まで待てないとなると、拘置のあと家庭裁判所の審判までのあいだ少年鑑別所に入る可能性もあり、本人も周りもかなり大変です。

さいごに

刑事罰を受ける交通違反で恐らく最も多いのがオービスによるスピード違反です。オービスは何キロ以上の違反で光るというのは公表されていませんが、刑事罰の対象となる一般道で30キロ超過、高速で40キロ超過といわれています。
オービスに撮られたというとそれほど大きな事ではないと思ってしまうかもしれませんが、未成年の場合、オービスに撮られると少年院に入ることになる可能性もある、重大な交通違反です。交通違反といえどそんなに軽いものだとは思わずにしっかりと守って運転してください。

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