軽トラがデフレの原因説

軽トラは仕事のための道具です。
本来、仕事にあわせて道具を選ぶべきですが、仕事の量を軽自動車という道具にあわせているのではないか?というのが本稿の趣旨です。

つまり、仕事を軽自動車にあわせるため仕事の量や質が限定され、それが回り回って日本のデフレに繋がっているのではないかという疑問について述べています。

まずは軽自動車はいつ頃から増加しているのか見たいと思います。

軽自動車検査協会の資料を見ると昭和53年頃から軽自動車の割合が増えて平成元年頃に一度落ち着きます。その後、平成9年から10年頃から軽自動車の割合が再び増えて、緩やかな増加傾向が続いています。

https://www.keikenkyo.or.jp/information/attached/0000026143.pdf

軽規格の改定が平成2年と平成10年にありました。
平成2年の改定後、初代ワゴンRの登場し対抗するムーブも生まれ軽自動車の形がかわっていきます。

対して平成10年の改定ではスズキのKeiやホンダのZが生まれましたが、N-BOXに代表されるハイトールワゴンが生まれたわけではありませんでした。
現在の軽自動車ブームに続く流れを作ったものは平成10年からしばらくの間は生まれていません。

つまり、新しいタイプの軽自動車が生まれたことで平成10年から現在まで続く軽自動車の割合が増加したわけではなく他の要員がありそうです。

では、当時何があったのか。

平成10年はいわゆる氷河期世代が大卒で社会人になる頃です。そういった経済情勢の影響で維持費の安い軽自動車の割合が増加したと言えるでしょう。

で、現在でも日本で続くデフレはいつから始まったのかというと、消費者物価指数では平成10年から、政府が「緩やかなデフレ」と認めたのは平成13年から。
軽自動車の割合が増えたころと日本のデフレはピッタリ一致すると言えそうです。

日産のサニートラックの国内販売終了が平成6年でした。サニトラからの買い替え受け皿として軽自動車が使われたと考えるのは平成10年からの軽自動車割合増加を見ればおかしくはないでしょう。

トラックだけでなく商用バンなど仕事に使う道具としての自動車も平成10年頃から軽自動車の割合が増加していくことになります。

小さくなった道具に合わせて仕事を限定していった可能性はないでしょうか?

もちろん仕事としての自動車にはハイエースのように十分大きなものもありますが、軽自動車の割合が増えていることを考えれば誰でもがハイエースを選べるわけではないことは明らかです。

小さな軽トラ(軽箱バン)を使うことで効率を悪くすることもあるはずです。
それが本来出来るはずの仕事までを縮小させデフレに繋がっている可能性はないのでしょうか。

そこで私は軽規格の廃止を提案します。
代わりに車重と排気量を制限した優遇規格を新設する。排気量は1000cc程度、サイズは全長4200mmまで拡大。
全長を長めにすることで衝突安全性能を確保する。

・まとめ

結構まじめに軽規格がボトルネックとなっている仕事は沢山あると考えています。
実際のところどうなのか気になるのでトヨタが真面目に調べてくれないかなぁと。

キャシュカイがVCターボを採用した理由はロングストローク化

日産がキャシュカイを発表しました。

car.watch.impress.co.jp

キャシュカイはヨーロッパではよく売れているコンパクトSUVですが日本では今の所販売されていません(デュアリスという名前で販売されていたことがありますが一代で終わってしまいました)。
日本でも売れ筋のコンパクトSUVなので日本での販売があってもよさそうですが、今の日産は日本へ投入するしないの線引がよくわかりません。

日本市場への投入はともかく、キャシュカイはヨーロッパで初めてのe-POWER投入となる予定です。
e-POWERの泣き所は案外煩いところと高速走行。
ヨーロッパ市場では高速走行の需要が高いことからe-POWER投入を見送っていましたが、新しいキャシュカイは発電用エンジンにVCターボを導入するとのこと。

VCターボというのは可変圧縮比エンジンにターボをつけたもので、日産だけの技術です。
既にインフィニティのQX50に採用されていますが、国内では導入されていません。
ここで「おや?」と思うわけです。発電用エンジンに可変圧縮比のVCターボを採用するメリットってなんだ?と。
発電用エンジンは基本的に回転数を一定にするので可変圧縮のメリットを享受出来ないのでは?
結局足りない発電量はエンジンをぶんまわしてまた煩いe-POWERになるんじゃないの?と思いましたが、どうやらそうじゃないようです。

web.motormagazine.co.jp

この記事にVCターボを発電用として使う狙いが書かれています。要するにロングストローク化に使えるからだそうです。

QX50に採用されているKR20DDETというVCターボエンジンは特別ロングストロークというわけでもない気がしますが、キャシュカイに採用されるエンジンではどの程度ロングストローク化されるのか気になるところです。

ちなみに、恐らく現行で最もロングストローク化されたエンジンはホンダのN-BOXに使われているS07Bでしょう。
ボアストローク比が1.293と圧倒的なロングストロークです。

motor-fan.jp

12Vマイルドハイブリッドの1.3リッターに対し、e-POWERのVQターボがどのくらいの排気量でどの程度の燃費向上が見込めるのか少々気になるところもありますが、実燃費が悪くなるということはないでしょう。

どうでもいいですが、純正でホイールが20インチらしく貧乏人としてはもう少し小さくならないものかと思います。

というわけで、キックスなんて出さずにキャシュカイ投入したらいいのにね、という話でした。

新型ヴェゼルのフロントグリルはEV時代のデザイン

ホンダの新しいヴェゼルが発表されました。

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EVを意識している?

注目はフロントグリル!
ノーマルのフロントグリルはボディと同色で、グリルを強調させないデザインになっています(オプションで従来型?のグリルも用意されているのでノーマルは変だと感じる方にはそちらをということでしょう)。
このグリル、EV化を意識したものなのかなという気がします。

EVの場合、フロントグリルから空気を取り入れる必要がないので基本的にグリルには穴があいていません。
日産のリーフやホンダのeはこれまでと同じようなフロントグリルっぽいデザインが施されていますがテスラやポルシェのタイカンにはそれがありません。

今後、EVが増えるにつれグリルを持たないエクステリアデザインも増えると思われます。
つまり、EVが増えていくほどにフロントグリルを強調したエクステリアデザインは古臭く感じる可能性があります。

ヴェゼルが次のフルモデルチェンジを迎えるころまでにEVの普及率が極端に跳ね上がるとは考えにくいですが、それでもヴェゼルが古臭く見える可能性を排除したかったのかなと予想します。
今後、非EVでもヴェゼルのようにフロントグリルを目立たせないデザインを投入し、EVっぽい見た目のものが増えていく可能性は高いと思われます。

ライバルは?

現状では、ライバルはあるようでないかもしれません。
新しいコンパクトSUVには日産のキックスがありますが、ベースが古いこともあり正直新しいヴェゼルの相手にならないような気が。
あとはC-HRC-HRは好みがわかれやすく、また一代限りと言われていて新型ヴェゼルを意識したテコ入れもなさそうな気がします。

もしかしたらマツダのMX-30あたりは入ってくるかもしれません。
MX-30は(EVでなければ)案外安いので後部座席の使用頻度が低ければ、むしろ後部座席に荷物を置くくらいの使い方なら観音開きは便利そうですし、ヴェゼルとの検討もありかと。

他にはコンパクトSUVというよりもクロスオーバーのXVやCX-30(CX-3はさすがに古いと思います)、ヴェゼルよりも更に小型のヤリスクロスやライズあたりでしょうか。
外車も入れるとフォルクスワーゲンのT-Rocが直接の競合になりますが、価格差が少しあります。

今年発表されると予想されるスズキのエスクードは現行より少し大柄になると言われ、サイズはヴェゼルに近くなりそうですが、デザインはクロカンよりのものが継承されるようなのでヴェゼルとは好みがわかれそうです。

というわけで、現状ではライバル不在で売れると思います。