ソーラーパネルで硫化水素発生事故、原因は?

車内で使っていたバッテリーから硫化水素が発生して車内にいた二人が亡くなったという痛ましい事件がありました。

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バッテリーの問題

車のルーフには太陽光パネルが設置されていたことから、太陽光パネルからバッテリーに充電していたと思われます。
このバッテリーはエンジン始動などに使うものではなくサブバッテリーと呼ばれるもので、車内で使う電源として使っていたのでしょう。
事故の車両ではサブバッテリーは通常のエンジン始動に使うタイプのものが使われていたようです。普通、車内用電源として使う場合はガスが発生しにくいディープサイクルバッテリーというのを使います。
今回の事故は、恐らくバッテリー液(電解液)が減っていたか、充電電圧が高すぎて、硫酸イオンが還元され硫化水素が発生したと思われます。
バッテリー液の管理をしていなかった、使用するバッテリーを適切なものでなかった可能性が考えられます。

換気の問題

硫化水素は空気よりも比重がかなり重いため下の方から溜まって上の方から空気が追い出されます(温泉地の窪地や地下のピットや暗渠などで硫化水素中毒事故が時々起こっています)。
車内で発生した場合、恐らく窓を少し開けた程度では外に排出されず、逆に下に溜まった硫化水素に押され空気が窓から出ていったと思われます。硫化水素事故の怖いところがこれです。
特にミニバンなどのハイルーフ車では窓の位置が高めなので硫化水素の発生(硫黄泉など硫黄独特の匂いがあるのですぐにわかります)に気がついた時には濃度が高すぎ、一瞬で意識を失った可能性があります。

まとめ

車中泊用にバッテリーを利用される方も多いと思いますが、バッテリー使用については十分な注意が必要です。
最近では鉛蓄電池だけじゃなくエンジン始動用にリチウムイオンのタイプも販売されています(ただ高いですが)。
車中泊での事故は怖いのでリチウムイオンバッテリーの利用も検討してみては?