今になってゴルフGTDはなぜ生まれたのか

フォルクスワーゲンが新しいディーゼルターボのゴルフを発表すると発表しました。

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フォルクスワーゲンは新しいディーゼルを出さないのかなぁと思いましたが、特に新しいゴルフではEVやハイブリッドでイメージを作るのかと。
今回はアドブルーは尿素を使って窒素酸化物の量を減らすという以前からよくあるもの。ディーゼルエンジンの排ガス規制対応はマツダの独自方式以外にはアドブルーか高価な触媒を使うかのどちらかです。現状ではアドブルーが優勢です。
今回発表されたゴルフGTDも従来技術といえますが、アドブルーを2回噴霧することで排ガス規制に対応しているようです。

アドブルーはディーゼルエンジンにはよく使われていて、フォルクスワーゲンも不正発覚以降はアドブルーを使っています。
ドイツメーカーのディーゼルエンジン問題ではメルセデスベンツが以前からアドブルーを使っているけれど、なぜかアドブルーの噴霧量を減らしている疑惑がありました。
走行距離にもよりますが、アドブルーは年に一度補充か二年に一度の車検の時に交換する程度で持つのにも関わらず(尿素は溶けにくく固体になりやすいため噴霧量を減らすと噴霧装置が詰まりそうな気もしますし謎です、アドブルー切れで装置が壊れるのを嫌ったと言われますが)。
そして、不正発覚以降はヨーロッパでもディーゼルエンジンは減ってきているようですが、それでも新しいゴルフにディーゼルを投入するのはなぜでしょうか?
しかもGTDという(実質これまでになかった)グレードを投入してまで。

一つは、燃費規制や騒音規制がどんどん厳しくなるなかで今のうちに出しておこうと考えているのでは?
トヨタスープラやGRヤリスを投入したのは今のうちに出さないと、と考えているのかなぁと思います。
(これから増えるであろう)EV専業メーカー、特にテスラに出来ないことをすることで企業イメージで差別化を図りたいのかなぁと。
トヨタの社長がガソリン臭い車が好きと話していましたが、イーロン・マスクにはそれが言えません。しかし、トヨタの社長も数年後にはそんな事も言ってられないでしょう。
それはフォルクスワーゲンも同じ。
なので、今のうちに官能性能高めのエンジンを投入しておきたいと。

もう一つは、単にディーゼル需要を捨てきれないから。
先日、イギリスが2025年以降はエンジンのみもハイブリッドも新車販売禁止をぶち上げましたが、(イギリスに限らずその流れを)それを気にしていたらGTDというグレードを新しく投入するのは非合理的。
ただ、現状でPHVやEVへすんなりと入れ替わるわけではないので、用意しとうと。
それでもただのディーゼルではなくGTDという気合の入ったグレードを用意するのはやはり今のうちに出しておこうという意図もあるのかなぁと。

というわけで、今のうちに出しておこう、という車がこれから数年で様々なメーカーから駆け込みで発売されるんじゃないかなぁと予想しています。