写真を見る限り、カラシニコフの電気自動車は時代の最先端を狙っている

カラシニコフが電気自動車のコンセプトを発表しました。カラシニコフというと自動小銃以外になにをしているのか知りませんが、自動小銃においては日本よりも技術がありそうですし、EVも作れそうな気はします。

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写真を見るとレトロなデザインばかり気になりますが、よく見ると最先端を狙っているようにも見えます。

ミラーレス化

この写真を見て、まず気がつくのはサイドミラーがないこと。下回りをそれなりに作っているようなので、サイドミラーを付け忘れたとは考えにくい。つまり、サイドミラーが不要となるミラーレスを採用するのでしょう。
サイドミラーをカメラで代用するミラーレスは間違いなく今後の主流になります。ただ、サイドミラー代わりとなるカメラの映像をどこに写すのかが問題となります。アイデアの一つに太くなったAピラー部分をモニターにするものがあります。しかし、カラシニコフEVではAピラーが細い(BピラーもCピラーも細いけど)。つまり、Aピラーではなく別の部分にサイドミラーに相当する映像を写すのでしょう。
では、それがどこかというと、恐らくヘッドアップディスプレイでしょう。ヘッドアップディスプレイはフロントガラスにインパネなどの情報を表示することが検討されていますが、カラシニコフはサイドミラーの映像もフロントガラスに写すつもりです。
恐らくサイドミラーの映像は常に投影するわけではなくドライバーの視線を検知して適時フロントガラスに投影すると思われます。
当然、既存の運転支援システムにあるような警告や補助があり、より安全に運転できるでしょう。

燃費対策

次に気になるのがタイヤ位置。フェンダーの内側にかなり入り込んでいます。最近の流行りはいわゆるツライチで目一杯タイヤを外側に出すデザインです。これを否定するカラシニコフはロシア風のレトロなデザインを重視しただけでなく、燃費(電費)向上を狙っているのでしょう。
燃費世界一だけを狙ったかのようなホンダの初代インサイトリアタイヤのほとんどを覆い隠すデザインでした。ホンダはまだこれを続けていて、最新のクラリティではリアタイヤの上部を覆うようなフェンダーになっています。
クラシックなエクステリアデザインを併せて考えるとカラシニコフはホンダのEVコンセプトを意識しているのかもしれません。

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また、リアハッチのヒンジ部分が盛り上がっている点も気になります。恐らく整流効果があるのでしょう。もちろん、燃費(電費)向上のためと考えられます。

電気自動車の実用性は航続距離をどれだけ確保できるかにあります。つまり燃費対策は従来のエンジン自動車よりもシビアになるとカラシニコフは考えていると思われます。

シックスライト

側面のガラスが3枚、左右合わせて6枚のシックスライトは最近の流行りを意識しているのでしょう。シックスライトは元々クラシックなデザインですが、最近の流行りでもあります。日本では新しいクラウンがシックスライトになりました。

そしてタイヤが小さいところに好感が持てます。車は年々大きくなっていますが、それよりもタイヤの方が大きくなっている気がします。Cセグメントでも結構大きなタイヤを履くようになり、タイヤ代もばかになりません。その点、カラシニコフは実用性を重視して小さいタイヤが似合うクラシックなエクステリアデザインを模索したのかもしれません。
ただ、EVはどうしても車重がかさむので、細すぎる気はします。

まとめ

EVはデザインの自由度が増すと考えられますが、現在のEVは従来のエクステリアデザインをなぞるものに留まっています。トヨタのe-パレット コンセプトのようなものもありますが、自家用ではありません。未来の自家用車を提案するものとしてカラシニコフのコンセプトはいいんじゃないでしょうか。