スポーツカーがPHVになったらエンジンは前輪を回していいのか問題

ボルボの高級ブランドとして独立するポールスターはプラグインハイブリッドのクーペの予約をはじめました。

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エンジンとモーターであわせて600hpというハイパワー。エンジンは4気筒の2リッターということで、モーターが強力であることが伺えます(エンジンで300hpとしてもモーターだけで300hpの計算に)。
このポールスター1はエンジンで前輪を、2つのモーターで後輪を回すそうです。

ここで一つの疑問が出てきます。PHVは高速走行時にモーターではなくエンジンで動かしますが、高速走行時に前輪を中心に動かすよりも後輪を回した方がいいのでは?という疑問です。

そもそも、PHVにおいてエンジンは発電と高速走行時の駆動力として使われます。(日産のe-Powerと違い)モーターは高速走行に向かないためエンジンを発電だけで利用できない、という考え方です。ポールスター1のようなスポーツカーならファミリーカーよりもずっと高速走行を重視するはずです。なのに高速走行時に前輪を中心にしていいのか?と気になります。

ポルシェやフェラーリランボルギーニがPHV化した場合は(PHVではありませんが)NSXのようにエンジンを後ろに置いて、モーターは前輪を中心にまわす仕組みにするでしょう。それ以外ではポールスター1のようにエンジンを前に配置し、おまけでも後部座席を設けるでしょう。

ポールスター1のように、ここまでモーターの出力が強力になるとエンジンで前輪を回す意味があるのか?なんて思います。恐らく、600hpという数字ほど最高速はでないと思われます。600hpのエンジン、モーター、どちらかだけで後輪を回す車と比べたら最高速は落ちることは明らかで、0-100km/hもEVよりも重くなるので不利でしょう。
もちろんサーキット走行でなければ、あっという間に気がつけば法定速度を超過すると思うので考える必要はないのかもしれませんが、そんなことを言ったら存在意義が。

ただ、スバルのWRXのようなサーキット走行に使われる車がプラグインハイブリッド化した時(スバルはWRXのPHV化を明言しています)、どういった落とし所を見つけるのか興味があります。

三菱もPHV(EV?)のスポーツカーを示唆していますが、こちらはもしかしたら後部にエンジンを配置するかもしれません。三菱は軽自動車のiでRRレイアウトを採用し、これはルノーのトゥインゴに継承されています。パジェロEVOを想起させるようなSUV風のコンセプトカーでしたので、最低地上高を高くして荷室下にエンジンを配置する事も可能かもしれません。

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一方で日産がルマンに投入したGT-R LM NISMOという迷車を考えると、ハイブリッドを搭載して後輪をちゃんと回すことが出来ればもうちょっと健闘したかもしれまんしFFでも300km/hくらいは出たそですから、市販車なら前輪をエンジンで回して後輪をモーターで回しても十分でしょうか。

日産・GT-R LM NISMO - Wikipedia

EVまで行くと大きなエンジンから開放されデザインも今の車と全く違うものになるかもしれませんが、エンジンもモーターもバッテリーも必要なPHVは色々難しいような気がします。