ボルボが初採用した1.5リッター3気筒がこれから流行る理由

ボルボが3気筒の1.5リッターエンジンを搭載したコンパクトSUV、XC40を発表しました。BMWも既に3気筒エンジンを採用していて、3気筒の1.5リッターエンジンは今後高級ブランドでも採用が増えると言われるエンジンです。

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1リッター前後は3気筒、1.5リッター前後は4気筒が一般的でしたが、なぜ3気筒の1.5リッターか。それは1.5リッターから3リッターまで部品を使いまわせるから。1気筒あたり500ccで3気筒、4気筒、5気筒、6気筒と増やしていくと1.5リッター、2リッター、2.5リッター、3リッターとなり、明確にグレードをわけることが出来、売るのにも好都合。さらに1気筒あたり500cc程度が熱損失などが少なく最も効率がよいとされ1500ccはこれまでの4気筒から3気筒エンジンに置き換わりそうです。

6気筒は直列からV型に一時ほとんどが置き換わりました。V型の方が衝突安全性能を確保しやすい、8気筒のV8と部品の共用が可能などの理由がありました。しかし、ハイブリッドやダウンサイジングの流れは高級車にも及び、V8やV10といった大排気量エンジンが減ることから6気筒もV型をやめて直6にしてしまおう、というのが最新の流れ。実際、メルセデスは6気筒は全て直6に置き換えると発表しています。恐らく、3気筒の1.5リッターもAクラスなどに投入するでしょう。

3気筒の1.5リッターはヨーロッパ勢だけでなく、トヨタも開発を発表しています。トヨタは4気筒と3気筒で共通化するのが目的で、メルセデスのように直6を作るかどうかわかりません。これまで1.5リッターないコンパクトカーはダイハツのエンジンを採用していますが、トヨタが自社開発するので排気量の大きいエンジンに転用することを踏まえてのことと思われ、トヨタの直6復活もあるかもしれません。

日本では3気筒というと軽自動車のエンジンのイメージがあります。そのため高級ではないイメージが定着しているかと思います。実際、3気筒はエンジンの振動を小さくする(相殺する)ことが難しいとされ、高級志向のヨーロッパ勢は3気筒を避けてきました。しかし、最近ではBMWですら3気筒の1.5リッターエンジンを採用しています。高級車でも採用されはじめたことで、いずれ3気筒のイメージは変化するでしょう。

さらに1リッターは3気筒ではなく2気筒になるかもしれません。四輪で2気筒というとフィアット500のツインエアとスズキのインド向けくらいしか思い浮かびませんが、かつては軽自動車用に開発されたこともありました(結局販売しませんでしたが)。BMWメルセデスでの3気筒が受け入れられれば多少振動が大きくなったとしても(独特の音は好みが分かれそうですが)大衆車なら2気筒エンジンの採用もあるのでは?と考えています。

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