ついにカローラまで、どうして3ナンバー化するのか?

カローラがフルモデルチェンジし、ついに3ナンバー化すると言われています。年々5ナンバーサイズは少なくなってきていますが、ついにカローラまでもが3ナンバーです。

3ナンバーと5ナンバーの違いは全幅です。全幅1700mm以上は3ナンバーになります。3ナンバーと5ナンバーで税金が変わると考えている方はまだまだ多いのですが、全幅で税金は変わりません。排気量と車両重量で変わるので3ナンバーだからといって税金が高いわけではありません。3ナンバー化したカローラの税金は5ナンバーの現在と変わらないでしょう。

3ナンバーが増える一方で全幅が広がると路地のような狭い道ので運転が難しくなったり、狭い駐車スペースで難しくなるので5ナンバーに拘る方は少なくありません。5ナンバーに拘る方が少なくないにも関わらず、5ナンバーサイズは減っています。それにはいくつか理由があります。

一つは海外向けには5ナンバーサイズでは小さいため。
東南アジア向けには5ナンバーサイズは珍しくないのですが、北米ではクラウンの全幅1800mmでも小さいと言われます。東南アジア向けの車種は国内では安っぽく、北米向けでは大きすぎるため日本市場はどっちつかずという関係です。

国内にはヨーロッパ向けくらいがちょうどいいのかもしれません。ヨーロッパの小型車、Bセグメント、Cセグメントが国内でも販売されていますがドイツメーカーのBセグメントは全幅が次第に広くなり、今では1700mm以上の3ナンバーサイズが一般的になっています。国内メーカーもそれに追従する必要があり、ヨーロッパ市場では小型車でも3ナンバーサイズになります。例えば、マーチのヨーロッパ版は既に3ナンバーサイズで、海外向けのスイフトも3ナンバーサイズです。
国内でも海外でも売るためには5ナンバーサイズに拘るのは得策ではない、無駄が多いというわけです。

そもそも、海外メーカーの小型車の全幅が広がり3ナンバーサイズになった理由は居住性というよりも衝突安全性のためです。オフセット衝突、側面衝突への対応は全幅に余裕を持たせる方が有利です。衝突時に最も有利なのは車重を重くして相手側を壊すことですが、車重が重くなると燃費が悪くなります(相手側を壊して衝突安全性を確保するやり方は批判されるため重い車はクラッシャブルゾーンを出来るだけ大きくしてあります)。現在は燃費が重視されるため(排ガス規制もあります)燃費が向上するように車重を軽くするなど様々な工夫がなされています。車重を軽くして燃費はよくなったけれど衝突安全性を犠牲にする、というわけにはいきません。

車重を軽くしつつ衝突安全性を確保するための選択が大型化です。一回り大きくすることでマージンを確保し衝突安全性能をよくすることが出来るからです。

年々車が大きくなると言われますが、衝突安全性能に対する要求も年々高まるためしかたのないことでもあります。