10年、15年後はEVではなくPHVだと考える理由

2040年にエンジンだけの新車は販売出来ない、という事になりそうですが、そう聞くと全ての新車が電気自動車になると考えがちですが、イギリスや(たぶん)フランスはハイブリッドやプラグインハイブリッドも可で、モーターを全く使わない車はダメ、という事のようです。

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中国も同様にエンジンだけで動く車を禁止するとされていますが、ハイブリッドやプラグインハイブリッドについてはよくわかりません。中国の場合は、大気汚染や二酸化炭素排出量だけでなく中国内での製造を求めることも理由の一つなので、EVだけに拘ることもないと思うので、プラグインハイブリッドなども認めるんじゃないかと考えられます。

仮に中国の自動車を全てをEVにした場合はどうなるでしょうか?

電気の需要と供給

日本の全ての自動車をEVに置き換えた場合、必要な電気を賄うためには原発を27基新たに稼働させる必要がある、と言われます。

中国で登録されている自動車は2020年に2億台になるという予想があります。現在の日本は8000万台くらいで2040年の中国が(かなり少なく見積もって)2億台と考えると、中国の自動車は日本の2.5倍と考えます。

原発も2.5倍必要になるとすると、原発は67基必要になる計算になります。現在、中国では原発が1年に2基、新たに稼働しています。2040年までにさらに67基を稼働させるには、3基新設する必要があります。中国の地方開発や石炭を用いた発電からの移行が進むことを考えるとEV以外の電気需要は1年に2基のペースでは明らかに足りません。

各国、いかにして電気を賄うかを考えると2040年までに全てを電気自動車に置き換える事は(核融合が実用化されない限り)電力供給が非常に難しいと考えます。

ノルウェーでは

世界で一番電気自動車が普及しているといわれるのがノルウェーです。

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ほとんどの電力を水力発電で供給していること、EV優遇税制を行ったこと、2025年にはディーゼルエンジンの新車販売を規制すること、などが影響しています。

ただ、EV優遇税制が終わるとプラグインハイブリッドに買い換える人が多いと予想されています。寒冷地ではバッテリーの能力が落ちるため、EVは十分ではないと感じているユーザーが多い言われます。電力供給に問題がなくても、EVの航続距離や充電時間は実用面でまだまだ、というわけです。

とはいっても、いわゆるシティコミュニケーターと呼ばれるようなちょい乗りに使われる車をEVに置き換えることは十分に可能なところまで着ているのかもしれません。

ホンダが発表したEVのコンセプトモデルは2019年までにヨーロッパで販売するとしていますが、フィットよりも全長が短いものです。

Honda | 2017年フランクフルトモーターショーで「Honda Urban EV Concept」を世界初公開


EVはバッテリーが大きく重いため大きな車の方が実用面で有利ですが、小さい車からEVが普及すると考えているのかもしれません。航続距離が必要な車はプラグインハイブリッドがありますから。

まとめ

  • 電力供給を考えると2040年は時間が足りない
  • EVは用途限定で普及する
  • 用途を限定したくない方はプラグインハイブリッドを選ぶ