オイルの種類、交換時期、エンジンオイルに関するあれこれ

エンジンオイルの働きはいくつかありますが、エンジンをスムーズに動かす働きとエンジンを正常に保つ働きを持っています。
エンジンオイルが悪くなってくると、スムーズに動かないので燃費や加速が悪くなったり、最悪の場合はエンジンを痛めることもあります。そうなる前にエンジンオイルを交換しましょう、というのがオイル交換の趣旨です。

合成油と鉱物油

エンジンオイルには合成油と鉱物油があります。一般的には鉱物油の方が多く使われています。これは合成油の方が高いからです。合成油は高いので、合成油に鉱物油を混ぜた製品もあります。
鉱物油は原油から精製したもので、不要な物質も混ざっています。合成油の方は必要なものを合成して、必要なものだけを混ぜて作ったものなので、鉱物油に含まれるような不純物はほとんど入っていません。

合成油はエンジンに不要な不純物は含まれないため酸化しにくく、スラッジ(ゴミ)の発生が少ないなど性能は鉱物油よりも上です。しかし鉱物油と合成油の違いがわかるほどかというと、普通はわかりません。
エンジンの負荷が高まる高回転時などは違いを感じるかもしれないので、回転数が高くなるバイクには合成油を使うかたが多くなっています。また四輪ではスポーツ走行などで使われることは多いのですが、一般的に選ばれているかというと、まだまだというのが印象です。

高回転をよく使うという以外では20年乗る!と新車の時から決めているのであれば、ゴミが発生しにくい合成油を使うのもいいかもしれません。

粘度の違い

エンジンオイルは車によって使う粘度が異なります。基本的には車が指定する粘度のオイルを使います。多少粘度が異なるものを使っても壊れるなどの心配はありませんが、燃費などに影響があらわれます。特別なことがないかぎりは、メーカー指定の粘度のオイルを使います。

交換時期は?

オイルの交換時期は5000キロ毎、半年に一度などいわれていますが、車種にもよります。自然吸気の普通車なら15000キロ毎でも遅くありません。
自然吸気のエンジンはオイル交換の頻度は低く、逆にターボの方は交換が早くなります。普通車と軽なら軽の方がエンジンの負担が大きいため交換のタイミングが早くなります。

ディーゼルは軽油に硫黄分が含まれるためエンジン内部に煤がたまりやすいのでNAのガソリン車よりも交換頻度を高くしたほうがいいです。いずれの車種でも通常使用なら半年に一度で、遅いということはありません。

ざっくりと表すと交換頻度は

交換時期早い:ターボ>ディーゼル>NA:交換時期遅い

というような関係になります。

自然吸気(NA)の普通車なら年に1度の交換で十分だと私は思っています。2年に一度の車検時は乗り方にもよりますが、ちょっと遅いと思います。
最近はダウンサイジングターボが多くなっていますが、これだと1年に一度の交換だとちょっと遅い感じなので、切りが良い半年に一度の交換程度がいいと思います。

軽のターボはオイルが悪くなりやすい代表的なエンジンですが、人によっては3000キロで交換という方もいますが、半年でも大丈夫です。年間5000キロ程度でも軽は1回に数キロ程度しか走らないシビアコンディションで使われることも多く、エンジンオイルが悪くなりやすいので、半年程度で交換した方がいいでしょう。

近所に買い物だけで使うのはシビアコンディション

シビアコンディションとは厳しい使用環境を意味します。未舗装の走行、山間部の走行、1回の乗車距離が短い(8キロ程度)、スピードを出さない、などがあります。これに該当する場合は、通常よりも交換時期を早めるように推奨されています。

近所のスーパーなど買い物などでしか乗らない車は1回の乗車距離が短く、エンジンが十分にあたたまる前に降りてしまうため、エンジン内部に水分が貯まりやすい状況です。本来は熱くなったエンジンで水分は蒸発するのですが、蒸発する前にエンジンが冷えてしまうとエンジン内にどんどん水が貯まってしまいます。短距離ばかりの走行で1年間使うと、最悪の場合はエンジンオイルと水が乳化して混ざりあった状態になるので、時々は遠くまで走らせるか、半年程度でオイル交換をしたいところです。

黒くなったら交換?

教習所でオイルの確認方法など習いましたが実際にやられている方は少ないかもしれません。しかしオイルの色を見て交換時期を検討している方も中にはいると思います。
しかし、エンジンオイルは交換してもすぐに黒くなるので色を目安にするのはあまりよくありません。ガソリンスタンドなどで黒くなったオイルを見せられて交換時期ですよ!なんてセールスもありますが、売上が欲しいだけです。

エンジンオイルを見る時は色ではなく粘り気や透明度で見分けられる方もいるようですが、極端に悪くなっていない限りは普通の人に見分けることは難しいと思います。普段からオイルメーターなどを確認することはすばらしいことです。しかし交換時期は距離を目安に交換すれば十分です。