20XX年に全てのモデルを電動化といっても大したことない
ボルボが2019年以降のモデル、メルセデス・ベンツが2022年までに、マツダは2030年代前半に、全てのモデルを電動化すると宣言しています。
この電動化ですが、なんとなく電気自動車のみと捉えてしまいそうですが、電気自動車を含むハイブリッドやプラグインハイブリッド化する、という意味です。要するになんらかの方法でモーターを組み込む、という程度です。
ハイブリッドで先行している国内メーカー、特にトヨタやホンダも全モデル電動化の期限を考えていると思われますが、既にハイブリッドモデルの選択肢は多く、あえて宣言するほどでもないと考えているのかもしれません。
イギリスやフランスの2040年、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの新車販売禁止も同様で、エンジンのみのものは禁止となっています。
ただし、インドは2030年までに新車の全てを電気自動車に置き換える、というハイブリッドやプラグインハイブリッドは今のところ含めない、かなり急進的な計画です。
またノルウェーとオランダは2025年以降のディーゼルエンジン車の新車販売禁止を掲げています。こちらもハイブリッドは含まれないようです。
既にスバルがディーゼルエンジンからの撤退を表明していますし、マツダのSKYACTIV-Xは恐らく同社のディーゼルエンジンを置き換えるものになるでしょう。もちろんドイツメーカーの排気ガス不正もありますが、販売禁止などもありディーゼルエンジンの先行きは厳しいものになりそうなので。
というわけで、全てのモデルを電動化するといってもモーターが付く程度でエンジンを無くすというわけではありません。勿論、期限を決めてEVを10モデル、20モデル出すという目標を掲げているメーカーもありますが、まずはハイブリッドに置き換えてからEVに置き換えるというのが既存メーカーの方針です。
- 作者: ジャック・ユーイング
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そもそもジュークのフルモデルチェンジはないかもしれない
ジュークのフルモデルチェンジはもしかしたらないのでは?と考えています。
少し前までジュークのフルモデルチェンジは2017年内と言われていましたが、今では2018年の夏頃、といわれます。e-Powerモデルは確実と言われていますが、セレナe-Powerの開発が遅れていて、その影響で新型ジュークも遅れているのかもしれません。
ですが、それだけで遅れているわけではないと考えています。というのも、新しいジュークを出して売れるのか?という疑問があります。
ジュークは小型SUVブームの牽引役という感じで沢山売れました。が、最近は小型SUVはあまり売れていません。小型SUVから少し大きいサイズのSUVへブームが移っています。BセグメントからCセグメントが中心になりました。
例えばマツダのCX-5は売れていますがCX-3の方はあまり売れていません。売れているSUVというとCX-5の他にはトヨタのCH-R、スバルのXVなどがあります。どれもCセグメントです。
SUVは各社力をいれていて、日産傘下となった三菱がエクリプスクロスを新たに発売します。
エクリプスクロスは全長4405mmとBセグメントよりほんのちょっと大きい、小さめのCセグメントサイズ。
各社SUVの全長は
- ジュークは4135mm
- CX-3は4275mm
- ヴェゼルは4290mm
- CH-Rは4360mm
- エクリプスクロスは4405mm
- XVは4465mm
- CX-5は4545mm
- エクストレイルは4635mm
エクリプスクロスのサイズはCH-RとXVの間、売れそうなちょうどいいサイズになっています。しかも、デザイン、特にリアは三菱っぽくない!三菱はリアランプ周辺は同じ人がデザインしているのかと思うくらい、ほとんど同じですがエクリプスクロスは全然違い、三菱っぽくありません。
これは、三菱以外でも売るのでは?という気がしてなりません。つまり日産ブランドで販売するのでは?それにジュークという名前を付ける可能性があるのではないか?と考えています。
日産は近いサイズのデュアリスというSUVがありましたが日本での販売を止めています。海外ではキャシュカイという名前で今でも継続されていて、現行モデルは全長4380mmとちょうどいいサイズ。日本でも作っていますが販売はしません。このサイズのSUVを日産も売りたいと思っているはず。そこで三菱からエクリプスクロスを借りてくると。エクリプスクロスにモーションVグリルを付けたら、日産のコンセプトカー、グリップスに似ているような気もします。
ジュークの後継はノートクロスギアとエクリプスクロスの日産版に分裂するんじゃないかと予想します。
10年、15年後はEVではなくPHVだと考える理由
2040年にエンジンだけの新車は販売出来ない、という事になりそうですが、そう聞くと全ての新車が電気自動車になると考えがちですが、イギリスや(たぶん)フランスはハイブリッドやプラグインハイブリッドも可で、モーターを全く使わない車はダメ、という事のようです。
中国も同様にエンジンだけで動く車を禁止するとされていますが、ハイブリッドやプラグインハイブリッドについてはよくわかりません。中国の場合は、大気汚染や二酸化炭素排出量だけでなく中国内での製造を求めることも理由の一つなので、EVだけに拘ることもないと思うので、プラグインハイブリッドなども認めるんじゃないかと考えられます。
仮に中国の自動車を全てをEVにした場合はどうなるでしょうか?
電気の需要と供給
日本の全ての自動車をEVに置き換えた場合、必要な電気を賄うためには原発を27基新たに稼働させる必要がある、と言われます。
中国で登録されている自動車は2020年に2億台になるという予想があります。現在の日本は8000万台くらいで2040年の中国が(かなり少なく見積もって)2億台と考えると、中国の自動車は日本の2.5倍と考えます。
原発も2.5倍必要になるとすると、原発は67基必要になる計算になります。現在、中国では原発が1年に2基、新たに稼働しています。2040年までにさらに67基を稼働させるには、3基新設する必要があります。中国の地方開発や石炭を用いた発電からの移行が進むことを考えるとEV以外の電気需要は1年に2基のペースでは明らかに足りません。
各国、いかにして電気を賄うかを考えると2040年までに全てを電気自動車に置き換える事は(核融合が実用化されない限り)電力供給が非常に難しいと考えます。
ノルウェーでは
世界で一番電気自動車が普及しているといわれるのがノルウェーです。
ほとんどの電力を水力発電で供給していること、EV優遇税制を行ったこと、2025年にはディーゼルエンジンの新車販売を規制すること、などが影響しています。
ただ、EV優遇税制が終わるとプラグインハイブリッドに買い換える人が多いと予想されています。寒冷地ではバッテリーの能力が落ちるため、EVは十分ではないと感じているユーザーが多い言われます。電力供給に問題がなくても、EVの航続距離や充電時間は実用面でまだまだ、というわけです。
とはいっても、いわゆるシティコミュニケーターと呼ばれるようなちょい乗りに使われる車をEVに置き換えることは十分に可能なところまで着ているのかもしれません。
ホンダが発表したEVのコンセプトモデルは2019年までにヨーロッパで販売するとしていますが、フィットよりも全長が短いものです。
Honda | 2017年フランクフルトモーターショーで「Honda Urban EV Concept」を世界初公開
EVはバッテリーが大きく重いため大きな車の方が実用面で有利ですが、小さい車からEVが普及すると考えているのかもしれません。航続距離が必要な車はプラグインハイブリッドがありますから。