アウディA8の自動運転レベル3に続くメーカーはない?

アウディは新型A8でレベル3相当の自動運転が可能としています。現在、レベル3の自動運転が可能が国は法整備が行われているドイツだけだそうで(ドイツでもまだ認証前)、日本でその機能がどれだけ活用できるのかわかりませんが、楽しみにしている方も多いでしょう。

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レベル3を発売しないメーカーも

では、今後レベル3の自動運転がどんどんと増えて普及するかというと、そんな事はないのかもしれません。例えば、ボルボはレベル2の次はレベル4を提供する、レベル3の自動運転は販売しないとしています。

レベル2の自動運転は人間が主体となり運転を行い、システムはアシスト。
レベル3の自動運転は自動運転が主となり緊急時など車が対応出来ない場合は人間が運転するというもの
レベル4とレベル5は人間が運転に関与しません。自動運転が可能な環境は限られるものがレベル4、環境に制限されないものがレベル5となります。

レベル3の自動運転の場合、万が一事故が起きた場合の責任の所在が曖昧になるためボルボはレベル3は回避するとのこと。レベル4の自動運転は人間は操作できず運転に関与しませんので、自動車側の責任となります。(未だに各国で法整備がされていませんが)基本的に利用者の責任は問われないでしょう。

しかし、レベル3の自動運転は基本的に機械任せでもいいけれど何かあれば人間が運転をかわる、という中途半端なものなので、事故が起きた際に自動車が悪いのかドライバーが悪いのか、責任の所在が曖昧になります。曖昧であれば裁判も起こるでしょうし、余計な事には巻き込まれたくないのは誰もが考えることでしょう。

どんなリスクを考えているのかわかりませんが、責任が曖昧な事を嫌いボルボはレベル3には手を出さないことを決めました。ボルボ以外にもフォードもレベル3の自動運転を販売しない方針です。自動車メーカーではありませんが、Googleが初めたWaymoも人間が運転に介在しないレベル4からの自動運転を目指しています。

もちろんアウディも責任の所在については無策でなく、ブラックボックスを備え事故原因を明らかに出来るようにしています(それを中立な第三者が調査する、という仕組みがあるのかわかりませんでした)。

レベル3の問題は自動運転の責任の所在が曖昧、法律の整備の2点だけでなく、任意保険の問題もあります。
保険の問題は責任の所在にあるわけですが、メーカーが責任を素直に認めるのか、保険会社は賠償費用を回収できるのか不透明です。

自動運転に対する考え方の違い

もしかしたらレベル3の自動運転の技術はレベル5に近いもの、レベル4よりも難しいと考えているのかもしれません。レベル4の自動運転は制限付きの自動運転で、路線バスのような走る場所が決まっているものが相当します。一方でレベル3は走る場所の制限はありません。高速道路やバイパスならすぐにでも実現出来そうですが、狭い路地や白線が消えかかっているような道路も走る必要がありますので、技術的な難易度は高そうです。

ボルボとは少し違いますが、スバルの最も新しいアイサイトはレベル2相当の内容とされていますが、スバルは自動運転とは呼ばずに運転支援と位置づけています。自動運転という言葉から勘違いされることを避けたいのでしょう。一方でテスラはオートパイロット、日産はプロパイロットと呼び、自動運転をアピールしています。自動運転の開発は各社力を入れていますが、自動運転技術のありかたに関しては各社でかなり違いが出てきそうです。

まとめ

  • 自動運転レベル3の問題点は法整備、責任の所在、任意保険の3つ
  • メーカーによってはレベル3はスルーかも
  • メーカーによっては自動運転という言葉をこれからも使わないかも


なぜボルボは怖い車になってしまったのか

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このランキングの5位がボルボですが、ボルボは車両保険料率が高いことでも知られています。

ボルボは安全装備で知られています。自動車保険は安全装備により保険料が安くなる傾向がありますが、ボルボはそれが相反する傾向があります。

価格.com - ボルボ V40 のクチコミ掲示板

このクチコミではボルボなのに車両保険料率が高いことを疑問に思い嘆いています。

車両保険料率が高い理由は保険料の支払いが多いから。どうして保険料の支払いが多いのかというと、事故が多い、修理費用が高い、車上荒らしが多い、などの理由が考えられます。ボルボ車上荒らしが多いという話は聞きませんので、事故が多いのか修理費用が高いのでしょう。
一般的に外車は修理費用がかさむので、修理費用が高いために車両保険料率が高いという可能性は十分にあります。

しかし、そうであれば、他の外車も同じように車両保険料率が高いことになりますが、ボルボはドイツのメーカーと較べてもクラスが高いことが多いので修理費用だけが原因ではないでしょう(ちなみにドイツ車の中で、アウディは車両保険料率が高い印象があります)。

もしかしたら”ボルボは安全”というイメージから運転が危険になっているのかもしれません。その結果、事故が多くなり車両保険料率は上がり、ボルボは怖い車というイメージが持たれてしまった可能性があります。

ちなみに”#今日のプリウス”なんてタグのあるプリウスも車両保険料率はちょっと高めです。プリウスは盗難も車上荒らしも多いので事故が多いというわけでもないかもしれません。

安全装備は転ばぬ先の杖であって、転ばないことに越したことはありません。安全運転が第一です。

欧州メーカーからフォーミュラEへの参戦が続く理由と既存のモータースポーツ

以前から噂されていたとおり、メルセデス・ベンツとポルシェもフォーミュラEへの参戦を発表しました。アウディBMWも既に参戦を発表しています。日本勢ではホンダもフォーミュラEへの参戦が噂されています。日産の参戦に関する噂もありますが、ルノーとの関係があり今のところ不透明です。

一方でメルセデス・ベンツは2018年を最後にDTMから撤退するとのこと。F1については変わらずに力を入れるというようです。
ポルシェもWECのLMP1クラスへの今後の参戦について検討していることを明らかにしていましたが、大方の予想は2018年まで参加して撤退すると思われていましたが、2017年を最後に撤退と発表しました。
アウディも既にルマン24時間耐久レース、WECから撤退しています。既にポルシェとトヨタしか残っていないLMP1クラスなので、トヨタ2019年まで参戦を表明しているとはいえトヨタしかいなくなるLMP1は廃止となるのでしょうか?

このように、フォーミュラEはいつの間にか各自動車メーカーの主戦場たるモータースポーツになりそうです。モータースポーツにおいてもエンジンからモーターへの転換が起きています。

EVのため航続距離が短くて乗り換える

なぜフォーミュラEへの参戦が活発になったかといえば、EVだから、でしょう。EVを使うためフォーミュラEはこれまでのモータースポーツと較べていくつか特殊なルールがあります。その一つが車の乗り換え。

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フォーミュラEは電気自動車のためレース中にバッテリーが足りなくなります。エンジンを使ったモータースポーツの場合は給油を行いますが、フォーミュラEは給油の変わりに車を乗り換えてしまいます。ご存知のように充電は大変時間がかかるので乗り換えてしまえ!ということです。

来シーズンからはバッテリーが変更され乗り換える必要がなくなる予定です。乗り換えは、航続距離が短いEVの欠点を象徴するルールでしたが、これがなくなることは自動車メーカーとしても歓迎でしょう。これが各メーカーが参入を表明したことに繋がったと思われます。

既存のレースでは宣伝にも開発にもつながらない

自動車メーカーがモータースポーツにワークスとして参戦する目的は宣伝と開発の2つ大きな目的があります。しかし、既存のモータースポーツはこの2つの目的に対して、十分な成果が得られていないようです。

モータースポーツ勝利することはメーカーの宣伝になるはずですが、WRCでは4連覇中のVWが撤退しました。VWは撤退の理由の一つとして電動化への対応を挙げていました。EVへ以降が進む時期にエンジンを使ったモータースポーツでは宣伝効果も薄いと考えたのかもしれません。

宣伝効果でいえばニュルブルクリンクの最速タイム更新の方が大きいでしょう。特にFF最速はVW、ルノー、ホンダがしのぎを削ることで、お互いに宣伝になっています。

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レース活動で得られた経験を市販車の開発にフィードバックする、という大義名分も今では形骸化しています。現在のモータースポーツの多くは市販車をベースとしていません。市販車とは関係のない専用車を市販車へフィードバックするといっても、限定的でしょう。では市販車をベースにレースを行えばいいかというと、これも難しいものがあります。市販車をベースとしながらレースにも勝てる車種が必要になり、現状ではそういった車は売れません。

一方でフォーミュラEはEVの欠点である航続距離の短さから、レースであっても電費(燃費)のいい運転が必要になります。

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フォーミュラEでは出力を制限しつつ、ファンブーストという仕組みでレース中にリミッターの上限を緩和するなど、EVのメリット・デメリットをレースに組み込んでいます。

さらに、EV開発はまだまだ課題が多く、既存の自動車メーカーにとって生き残りのために不可欠であり、レースでの経験を市販車にフィードバックする余地はまだまだ大きいでしょう。

世界ラリー選手権は奮闘

先行き不透明な暗いニュースが多いモータースポーツですが、フォーミュラEを除くと唯一といっていいくらい活況なのが世界ラリー選手権です。

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トップカテゴリーは世界ラリー選手権とほぼ同じレギュレーションのグローバルラリークロスというのもあり、こちらも人気です。

アウディ、VW、フォード、シトロエンプジョー、スバル、ヒュンダイと様々なメーカーが参加しています。同一カテゴリーでこれだけ多くのメーカーが参加しているFIAのレースはこれだけではないかと思います。

世界ラリー選手権も市販車の名前を借りているだけで市販車とは別物ですが、レースの単純さと車同士がぶつかる過激さで人気があります。(実際に見たことがありませんが)爆音の豪快なレースはEVで置き換えることが出来ませんので、当分はこの人気が続くと思われます。

まとめ

日本の自動車メーカーもフォーミュラEに参戦しないと!